2011年5月25日水曜日

閑話休題-ユニクロの戦略マップ

現在、ドラッカーの経営戦略本を準備するために有名企業の戦略分析をいくつかやっています。

私はドラッカーの経営戦略のモデル図式を考案して、それをバランス・スコア・カード風の戦略マップの改訂版として使っているのですが、資料がある程度整っていれば、だいたい2時間もあればそこそこの分析が可能です。

この写真はファーストリテイリング(ユニクロ)の戦略マップです。



これを整理したものはすでに昨年末のセミナーでも公表しましたし、その後、データエージェント社の小冊子「ドラッカー経営入門」でもご紹介済みです。


この内容をさらに簡略化すると

市場・顧客の領域は「年齢・性別・男女を問わない世界中全ての人」を相手にしていることが特徴的です。

そこに提供する価値が「部品としての服を高品質・低価格で提供する」ということです。

この間をつなぐのが「ブランドイメージとして新素材・日本の都会的かつPOPなイメージ」です。


この3つの成果領域を支える大本の土台がSPA(製造小売り)という生産体制の徹底です。

ヒト(知識)の領域では、生産体制を支えるベテラン技術者チーム、柔軟で戦略的な動きをするマーケティング部門、商品企画と素材開発を明確に分けた企画開発部門、そして最も重要なのがスーパースター店長に代表される現場スキルの底上げです。

この戦略マップを作って、その後各エリアの目標を定めれば経営戦略ができあがります。分析と逆の流れです。

7月下旬の出版ではこの図表を整理したもののほか、有名企業を4社、中小企業を5社分析して載せる予定です。



(浅沼 宏和)