2011年5月16日月曜日

書評-「ユニクロ帝国の光と影」⑪

柳井氏はユニクロの対象顧客を、ノンエイジ・ユニセックス(年齢性別を問わない)としてトレンド商品よりもベーシック商品を中心にするという方針をとりました。


流通コンサルタントの弁によると、ユニクロの独創性とはそれまでのカジュアル衣料品の概念を変えたことにあるということです。


具体的には、それまでのアパレル業界では年代・性別・好みごとに細かく顧客を絞り込むことが一般的でしたが、あえて顧客層を限定せずに性別・年齢の枠を超えた消費者を対象としたところに成功の原点があったということです。


私は本当に優れた戦略というのは数行で説明できるものであると思っています。

大成功をしたユニクロ事業にしても根本方針は3行で説明できてしまっているわけです。


柳井氏はユニクロ事業の出だしの様子からこの事業の将来性を確信し、これまで手掛けていた紳士服や婦人服からは手を引き、ユニクロ一本に絞っていきます。

1991年からの3年間は、毎年30店舗ずつの出店を行い、売上高で300億円突破という目標を設定したのです。



(浅沼 宏和)