2011年5月9日月曜日

書評-「ユニクロ帝国の光と影」⑥

ユニクロはABC改革によって急速にSPAに転換していきました。

SPAとしての基礎を確立したのはほぼ2000年前後であるということです。

このとき同時にフリースブームがおき、ユニクロが一気に全国区のブランドになったのです。

98年に200万着の売り上げだったフリースは、99年に850万着、2000年には2600万着にまでなりました。

カジュアル衣料業界では50万着売れればヒット商品と言われていましたので、フリースは従来の常識を覆す桁違いのヒット商品であったのです。

柳井氏は「以前のユニクロのイメージは『安かろう悪かろう』だったが、フリーすを買って実際に来てみたら『安いけれど結構いいじゃん』という風向きに変わった」といっています。

これはABC改革を通じてSPAとしての実力が実を結んだために起きたブームであったともいえるのです。

次回はSPAの利点について検討します。


(浅沼 宏和)