2012年3月29日木曜日

明晰さと単純さは違う

明晰さと単純さは同じではない。単純に見えて明晰でないことがある。複雑に見えて明晰なことがある。

   『マネジメント』より



なんだか禅問答のようです。

ドラッカーは一見して複雑に見えるゴシック建築は明晰であり、単純に見える現代の高層ビルは明晰ではないといいます。

ゴシック建築にはきちんとしたルールに則って立てられているため、中で迷うことはないそうです。

ところが、単純な構造の組み合わせでできているはずの現代のビルの中では誰もが迷いそうになってしまいます。館内の地図まで整備されている事が多いでしょう。

ドラッカーはこの話を組織にも当てはめています。


組織マニュアルの助けなしでは自らの所属、行くべきところ、位置がわからない組織構造は、無用の摩擦、時間の浪費、論争と不満、意思決定の遅れをもたらす。

そのような組織構造は成果を上げる助けになるどころか障害となる。

   『マネジメント』より



(浅沼 宏和)

2012年3月28日水曜日

ビジネスマンは10年で陳腐化する?

「技術者は10年で陳腐化する」とはよく耳にするところである。

もしそうであるならば、マネジメントにとってこれ以上に恥ずかしいことはない。

技術者が陳腐化するなどということはあってはならないことである。

知識とスキルの向上は、日々の仕事の中に組み込んでおかなければならない。

  『マネジメント』より



これは仕事に責任をもたせるうえで継続学習の大切さを強調している部分の記述です。

継続学習とはスキルの向上以上の本質的な部分での成果の上げ方に関する能力アップのことです。

継続学習によって ①イノベーションへの抵抗がなくなる ②能力が陳腐化する危険がなくなる とドラッカーは言っています。

学習するという要素がない仕事を10年続けるとビジネスマンとしては使い物にならなくなってしまいます。

そして、そのような社員を産み出してしまうことは経営者の恥ということなのです。



(浅沼 宏和)

2012年3月26日月曜日

管理とは例外を見分けることである

管理手段が適用できるのは、定型的なプロセスだけである。

管理は例外を見分けなければならないが、それらの例外を処理することはできない。

管理は、例外によって全プロセスが邪魔されないようにするだけである。

  『マネジメント』より



管理の本質が例外の発見であるということは、すべての仕事はプロセスが明確にならないといけないということです。




プロセスとは宇宙の混沌を秩序だて、現象、活動、問題、状況を定型化し、個別の決定を不要にするためのものである。

‥例外はなくせない。しかし、生産のプロセスからなくすことはできる。

それぞれ例外として別個に処理することはできる。

だが、管理に例外を処理させようとするならば、仕事のプロセスも管理のシステムも、ともに不調となる。

  『マネジメント』より


私はドラッカーの、仕事、管理、プロセス、例外、といった言葉の意味をよく考えることが業務品質を上げ、付加価値を創造することにとても役立つと思っています。

セミナーでもこの部分については特に慎重に扱うようにしています。



(浅沼 宏和)

2012年3月23日金曜日

◇お知らせ: サイバー攻撃関連書籍の広告が掲載されました

このブログでも何度かご紹介した「サイバー攻撃からあなたの会社を守る方法」が日経新聞に大きく慶されました。

さすがにこれぐらい大きい広告ですとインパクト絶大です。

サイバー攻撃はビジネスリスクの一つですが、影響の範囲や金額などのスケールが年々大きくなってきています。

中小企業といえども最低限の知識を持っていなければコンプライアンス違反に問われる時代ももうすぐそこに来ているような気がします。


(浅沼 宏和)

「これまでずっとやってきたから」は理由にならない

最終製品を所与のものとするならば、結局は「なぜこれをしているのか」との疑問に答えることもできない。

「これまでずっとやってきたから」としか答えようがない。

‥最終製品の仕様は、ユーザーのニーズと価値観によって決まるのであって、生産者のニーズと価値観によって決まるのではない。

  『マネジメント』より


日々の仕事をやっている理由が、「これまでやってきたことだから」では成果が出なくて当たり前です。

仕事は成果を明確に設定して初めて成立するものです。

そうでない仕事はすべて「流れでやっている」表面的なものに過ぎないことになります。




(浅沼 宏和)

2012年3月22日木曜日

◆責任感と大きな仕事

アメリカの地方新聞社で実際にあったエピソードだそうです。

新米スポーツ記者が大きな取材から帰ってきた時の編集長とのやり取りです。


「記事はどこだ?」

「ありません。」

「なんだと?なぜ書かなかった?」

「試合が中止になりました。」

「試合が中止!? いったいなにがあったんだ?」

「スタジアムが崩壊したんです。」

「それじゃあ、スタジアム崩壊の記事はどこだ?」

「僕はそういった指示は受けていません。」


仕事における責任感とはその現場に一番近い人間として最大の成果を上げる行動とは何かを自分の頭で考えることです。

この新米記者にその後大きな仕事が回らなかったことは言うまでもありません。

ドラッカーは職務と任務という使い分けをしています。職務というのは名刺の肩書きの仕事で、任務というのは自身で設定する仕事です。

その現場において最大成果をあげる行動を考えるのは任務でしょう。

ドラッカーいわく

“ 一流は常に任務が職務を上回る ”


(浅沼 宏和)

2012年3月21日水曜日

◆無人島で研修?-矛盾する要望の話

研修に関する笑い話がありました。


旅行代理店に身なりの良い紳士が訪れ、窓口の担当者に話しかけた。

「 うちの息子にどんな厳しい環境でも生き抜いていけるように、本物のサバイバル力を身につけさせてやりたいんだ。

 何か適当な無人島ツアーはないかね?値段は問わないよ。

 なるべく安全で快適な奴がいいんだが。

 なにぶん息子はキレイ好きだし、あまり体が丈夫じゃないんでね。 」




この過保護エピソードぐらいはっきりしているとおかしさにすぐ気が付きますが、多くの研修が似たような趣旨で行われているような気がします。



(浅沼 宏和)

人の外にあるもの内にあるもの

仕事と、働くことは別の世界に属する。

仕事は人の外にある。仕事そのものの論理に従う。

働くことは人の内にある。働くことそのものの力学に従う。

‥仕事と働くことを統合しなければならない。

 『マネジメント』より



仕事(Work)働くこと(Working)を明確に区別したところにドラッカーの慧眼があります。

ドラッカーは知識社会において仕事と人の両方がどんどん変化していくといっています。

現在はドラッカーの生きた時代に比べても大きく違ってきているでしょう。

仕事と働くことの統合方法は自分たちで考えていかなければならないということです。

答えはドラッカーの本には書いてありません。


(浅沼 宏和)

2012年3月19日月曜日

◆ユニクロが銀座に新店舗オープン-企画力がカギ

ユニクロが銀座に新店舗をオープンしたことがニュースになっています。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120317-00000103-san-bus_all


ここでのポイントは広範囲からの集客が見込めることと、賃料の高さが見合うかどうか、また店舗の広さをカバーするだけの企画力があるかどうかです。

この企画力という言葉がキーワードです。

昨年末に代官山TSUTAYAがオープンした時にも鍵を握るのが企画力である点が指摘されていました。

成熟経済における企業の成長を担う「企画力」については業種・業態を問わずにクローズアップされてくるでしょう。


(浅沼 宏和)

具体的な仕事にしないと意味がない

‥最高の戦略計画であっても、仕事に具体化されなければ、よき意図に過ぎない。

成果は組織の中の有能な人材を具体的な仕事に割り当てることによって決まる。

戦略計画は、将来において成果を生むべき活動に割り当てて、初めて意味を持つ。

さもなければ、約束と希望はあっても戦略計画は存在しない。

  『マネジメント』より


ドラッカーは、戦略は実行に移す段階が一番大変で時間がかかるとも言っています。

だいたい「計画倒れ」という言い回しがまかり通っていることからも実行の困難さは周知のことですが。

実行に移すための要になるのが最重要資源であるヒトを、どう生かすのか、という問題なのです。


(浅沼 宏和)

2012年3月16日金曜日

経営者が無責任かどうか

リスクを伴う長期的な意思決定を行いたいか、行いたくないかは問題ではない。

マネジメントはその責務からして必ず決定を行う。

違いは、責任をもって行うか、無責任に行うかである。

成果と成功についての可能性を考えて行うか、でたらめに行うかである。

 『マネジメント』より



アスリートがトレーニングメニューを決めるのは上げるべき成果から逆算して行なっています。

経営者が行うべき意思決定も上げるべき成果からの逆算に基づくべきでしょう。

仕事とは成果をあげるプロセスですから、それを責任もって組み立てるのか、適当に行うかで大きく違うということですね。

2012年3月15日木曜日

仕事とは誰かが行うもの

仕事とは誰かが行うものである。

責任と、締め切りと、成果の尺度を伴うべきものである。

 『マネジメント』より



戦略計画では成果尺度の決定が非常に重要です。

尺度を決めることが自動的に成果の大きさを決めることになり、ひいては物の見方や行動すべきことが決まります。

尺度の決定はリスクを伴う重要な意思決定なのです。

「売上10億円突破」が目標として不足であるのは、それでは何を行うべきかが全くわからないからです。


(浅沼 宏和)

◆静岡新聞で紹介されました

マイケル・ポーターの入門書を書いたことで静岡新聞の「この人」のコーナーで紹介されました。

このコーナーに登場するには目新しいことをやっている程度でそんなにハードルが高いわけではありません。

しかし、地域の人たちの目に止まりやすいコーナーですので、告知効果は抜群です。

本の売れ行きにも好影響を期待したいところです。


(浅沼 宏和)

2012年3月14日水曜日

新しい方法を開発する方が良い

戦略計画において重要なことは、第一に、目標の設定について体系的な作業を行うことである。

第二に、昨日を廃棄することからスタートすることである。

第三に、目標の達成のために努力の倍化よりも新しい方法の開発に力をいれることである。

第四に、対象とする期間を考え、必要なときに必要な成果を手にするには、いつスタートしなければならないかを考えることである。

   『マネジメント』より


マイケル・ポーターは競争戦略とは他社と違う活動をするか同じ活動を違う方法でやることであり、同じ方法で競い合うことを業務改善と名付けています。

そして競争戦略とは戦略的ポジションを作ることであると言っています。

第三の項目は、業務改善ではなく競争戦略上のポジションを作れというのと同じ事でしょう。



(浅沼 宏和)

2012年3月13日火曜日

短期と長期をどう考えるか?

計画を短期計画と長期計画に分けて考えることは間違いである。

今日の行動についての計画がある。それらの計画こそ本当の計画である。

‥‥計画とは未来を考えて今日の行動のために今日、意思決定を行うことである。

したがって、どこまで先を考えるかは問題によって異なる。

  
‥‥対象期間をどう見るかが、すでに一つのリスクを伴う意思決定である。

  『マネジメント』より


長期を3年と見るか10年と見るかで計画の中身は全く違ったものになるでしょう。

「志望大学に合格するぞ!」という場合、暗黙のうちに高校3年生の終わりにそれなりの学力をつけること、せいぜいその翌年には目標を達成することが前提となっています。

ところが、会社のビジョンを実現しようとする場合、期限を切らない会社が多いのではないかと思います。

それは戦略計画の考え方からすると間違っているわけです。


(浅沼 宏和)

2012年3月12日月曜日

◆日経新聞にてサイバー攻撃本が告知されました

トーテックアメニティ・サイバーセキュリティ研究所所長の藤原礼征氏の著書が日経新聞ででかでかと宣伝されました。


サイバー攻撃からあなたの会社を守る方法

藤原礼征著/中経出版  定価1500円+税


本書は、サイバー攻撃の危険性を煽る流行本とは一線を画した本格的な解説書です。

中小企業にとってサイバー攻撃というのは政府機関や有名企業がターゲットになる他人ごとの話のような気がします。

しかし、それは完全に間違いであるというのが藤原氏の主張です。

企業が万が一サイバー攻撃を受けた場合、そこから派生する被害については責任が生じます。

そうしたことに目を配らなければならないという現代の企業経営の難しさを痛感させてくれる本です。

最近はBCPというリスクマネジメントの考え方が出てきていますが、サイバー攻撃についての対応策も企業の責任になってくるでしょう。


ドラッカー流の社会的責任論の原則は以下のとおりです。

「野獣がおりから逃げたら飼い主に責任がある。野獣が危険なことは周知の事実である」=野獣の原則

サイバー攻撃が危険なのは周知の事実ですから企業が対応する責任があるというわけです。

本書を読むと「サイバー」という概念についてきっちりとした知識を得ることができます。



(浅沼 宏和)

2012年3月10日土曜日

昨日を体系的廃棄する

昨日を体系的に廃棄しようとすることが、すでに戦略計画である。

それは思考と行動を強いる。

しかも、新しいことに必要とされる人材と資金をもたらす。行動への意欲までもたらす。

  『マネジメント』より


ドラッカーの原理原則は、当たり前のことを突き詰めるとどうおなるかというお話ばかりです。

昨日の活動をやめると時間がうきます。それで何かをしなければならないわけです。

また何かをやめようとするためには、それが成果を生んでいないことに気がつく必要があるわけです。

それに気がついて活動をやめることは戦略計画の変更以外の何者でもないのです。


(浅沼 宏和)

2012年3月9日金曜日

リスクがあって当たり前

経済活動とは、現在の資源を未来に、すなわち不確実な期待にかけることである。


経済活動の本質とはリスクを冒すことである。

‥実は、計画が成功するということは、より大きなリスクを負担できるようになることである。

より大きなリスクを負担できるようにすることこそ、企業家としての成果を向上させる唯一の方法である。

  『マネジメント』より


ドラッカーは逆に確実に失敗する方法とは、絶対確実な安心・安全な道を選ぶことであるといっています。

リスクを取らないということは、100%中身がわかっている活動を行うこと、それはつまり「昨日の活動」しかやらないということです。

未来が絶対確実に今日と違うのであれば、現在の「絶対確実」は未来において全く通用しないということです。

ただし、無闇やたらとリスキーな活動をするということではありません。

冒そうとしているリスクを理解し、最も合理的なリスクを選択することが大切なのです。

この点について、ドラッカーは「勘や経験に頼ることはできない」といっています。


(浅沼 宏和)

2012年3月7日水曜日

◆「サイバー攻撃からあなたの会社を守る方法」の刊行

私が顧問を務めるトーテックアメニティ・サイバーセキュリティ研究所の所長である藤原礼征氏の手による著書が3月8日に刊行されます。


サイバー攻撃からあなたの会社を守る方法


藤原礼征 著/中経出版  定価 1,500円+税


藤原氏は、理系出身であるにもかかわらずサイバー空間の社会的・政治的・法律的意味までも視野に入れた多面的な発想のできる柔軟な人物です。

この手の本は流行りモノ扱いされそうなところですが、中身の濃さからいって何年も価値を持つ定番の本になるでしょう。

「当社は中小企業だから関係ない」と決め込んでいた私も、考え方を改めないといけないと痛感させてくれる内容です。

ぜひご一読ください。





(浅沼 宏和)

計画とはタイムマシーンである

計画とは、あらゆる種類の未来を現在に集約するタイムマシーンである。

    『マネジメント』より


計画というと明日やることを今日決めるというイメージですね。

ですが、ドラッカーはそれでは未来が創りだされないと考えています。

未来は現在の活動が生み出すわけで、計画は現在のものでなければならないということです。

計画というタイムマシーンがないと未来に行けないわけです。

計画がなければ出たとこ勝負の話になるわけで、偉大な発見・発明が大変な努力から生まれるように、偉大な未来も明確な計画と必死の努力が必要ですね。



‥われわれは、明日行う意思決定について計画しがちである。楽しいかもしれないが無益である。

意思決定は現在においてしか行えない。しかし、今日のためだけに意思決定を行うこともできない。

  『マネジメント』より


ようするに明日に先延ばしするなということですね。

また短期と長期のバランスの難しさもよくわかります。

わかっていてもなかなかできないことではありますが。



(浅沼宏和)

2012年3月6日火曜日

明日のために今日何をするか?

‥戦略計画は魔法の箱や手法の束ではない。思考であり、行動である。

  『マネジメント』より


「アクションプラン」でなければならないということです。計画は行動の前提であるということです。

こうした素朴な原理を忘れてはならないということです。

具体的アクションなくして成果は生まれません。


(浅沼 宏和)

2012年3月5日月曜日

今日の延長で活動するな

今日のトレンドを単純に引き伸ばし、今日の製品、サービス、市場、技術がそのまま明日のそれであると仮定し、資源とエネルギーを昨日の防衛に使うようなことがあってはならない。

   『マネジメント』より


ドラッカーは時間軸を長期と短期に分けることの大切さ強調しています。

それはつまり長期と短期は連続していないということです。

連続していないものを扱うわけですから未来に取り組むことははっきりとした意識が必要であるということです。

マネジメントとは「外に価値を創造するために意識的に頭と体を使うこと」です。

未来は意識しなければ創りだされません。


(浅沼宏和)

2012年3月4日日曜日

閑話休題-ドラッカーとポーターは似ている?


マイケル・ポーター
ここ一年でドラッカーとポーターの入門書を書きました。

このようなビッグネームを短期間に扱う機会はそうそうないと思いますが、おかげで両者の考え方をじっくりと比べる時間を持つことが出来ました。

結論としては、ドラッカーとポーターの戦略論は似ている と思うようになりました。

経営戦略論にはいろいろなタイプのものがあります。

分類法もいろいろですが、例えば次のような分類法があります。
ピーター・ドラッカー

1、戦略計画学派:目標達成に向けてヒト・モノ・カネの整合性を取っていく
2、創発戦略学派:戦略はトップダウンで決めるのではなくミドル以下の現場での試行錯誤の結果がボトムアップされて決まる
3、ポジショニング学派:有利な戦略的ポジションを追求する
4、リソースベースドビュー:経営資源の強みを生かしていく戦略
5、ゲーム論的戦略論:ライバルや取引先の行動を読み取りシナリオを作って対処する

もちろん、ポーターはポジショニング学派の代表格とみなされているのです。

しかし、実際には程度の差こそあれ、どの戦略論もこれらの要素が全て詰まっているものです。

その中で特に強い傾向の部分が目立つというのが実態であると思います。

マイケル・ポーターの戦略論の骨格はドラッカーの「創造する経営者」に書かれている内容と殆ど変わりません。

ドラッカー自身もそのように感じていたようで、1985年の「イノベーションと企業家精神」の中で、ポーターの競争戦略論は自分の考えにヒントを得て、発展させたものであるとはっきりと書いています。

実際に、ポーターの理論は1980年の「競争の戦略」では、ガチガチの理論でしたが、その後、年をへるに従って柔軟性を高めて行きました。

イノベーションという言葉もよく出てくるようになりました。

「イノベーションには10年かかる」というドラッカーと同じ表現のところも多数見受けられるようです。


フィリップ・コトラー
そこで、私は総合理論としてドラッカーを採用し、経営戦略の各論を考える上でマイケル・ポーターを使うということが有益であると考えるようになりました。

さらに、そこにマーケティングのフィリップ・コトラーを合わせれば経営戦略を考える上で必要な要素をほとんど網羅することが出来ると思います。


(浅沼 宏和)

2012年3月3日土曜日

将棋名人・羽生善治の名言集

羽生善治名人の名言集を集めてみました



・勝負の世界では「これでよし」と消極的な姿勢になることが一番怖い。
常に前進をめざさないとそこでストップして後退が始まってしまう。


・不利な局面でもあきらめずに淡々と指していくことが勝負のツボを見出すポイントになる。


・積極的にリスクを背負うことは未来のリスクを最小限にする。


・意表を突かれることに驚いてはいけない。予想通りに進むことなど皆無といって良い。




・山ほどある情報から自分に必要な情報を得るには「選ぶ」より「いかに捨てるか」のほうが有用である。


・楽観はしない。ましてや悲観もしない。ひたすら平常心で。


・安全勝ちの手を選ぶと逆転負けが起きやすい。


・複雑な局面に立ち向かったり、物事を推し進めるときは、簡単に、単純に考えることから可能性が広がる。




・判断のための情報が増えるほど、正しい決断ができるようになるわけではない。


・理解したくないと思っているものは、どんなに頑張っても理解出来ないが、許容する気持ちがあれば理解できることが増える。


さすがですね。概ねドラッカーの本に書いてあるのと同じ内容です。

(浅沼 宏和)

2012年3月2日金曜日

未来をつくる

未来は、望めばそのとおりに起こるわけではない。

未来を築くには、今、決定をおこなわなければならない。

今、リスクを負わなければならない。

今、行動しなければならない。

  『マネジメント』より


ドラッカーは、未来を考え、長期と短期をバランスさせる必要があるといっています

ここでバランスとは調和とは反対の概念であるということです。

バランスは2つの相容れないものをうまく扱うことです。

調和とはそれぞれの特性の良さをお互いに引き出していることです。

バランスは矛盾をできるだけ表面化させないという不確実な取り組みであるということです。

未来に取り組むことは現在と矛盾するということなのです。

それでも未来に取り組む必要があります。

そして、それは今行わなければならないということなのです。


(浅沼 宏和)

2012年3月1日木曜日

経営者が使うべき時間

‥もちろん小企業のトップのほとんどは、すでに外で十分時間を使っているという。

これからも外へ出てばかりいるであろう。

事実、大切な顧客には自分で会っている。借入には自分で銀行に出かけている。

しかし、彼らが必要としているのは、それら以外のものに使う時間である。

市場、機会、変化を知るための時間である。

「われわれの事業は何でなければならないか」を考えるための時間である。

必要とする時間はそれほど長くはない。

しかし、日常の現業の仕事のための時間とは違った意味で、まとまった時間が必要である。

   『マネジメント』より


これこそ経営者の最大の役目ですね。

時間管理は単純で奥が深いテーマです。


(浅沼 宏和)