2011年7月30日土曜日

◆「ドラッカーが教えてくれた経営戦略シート」完成

拙著の第二弾が完成しました。


本日、出版社から著者献本分が送られてきました。



「ドラッカーが教えてくれた経営戦略シート」

中経出版 / 定価:1,500円+税

8月5日刊行予定。

書店には数日遅れで並ぶ見込みです。



前著である「世界一やさしいドラッカーの教科書」、

2004年に共著で分担執筆した「キーワードで読む経営学」と並べると感慨深いものがあります。





(浅沼 宏和)

閑話休題-黒川温泉の将来

先日、Shizuginshipのスタディ・ツアーで熊本・鹿児島に出かけてきました。
その中で、全国的に有名な黒川温泉の成功事例を聞く機会がありました。


黒川温泉は平凡でさほど人気のない温泉地でしたが、地域の旅館の一致団結した取り組みで一躍全国区になったのです。

特に各宿にはそれぞれ自慢の露天風呂があり、それらの宿をめぐる湯めぐり手形を発行したことがブレークスルーのきっかけとなりました。


その黒川温泉の勝ちパターンは各温泉地にマネをされるようになっています。

現在はビジネスモデルの転換期に差し掛かっているということでした。

どのようにうまくいっているビジネスにおいてもイノベーションは必要ということでしょう。




(浅沼 宏和)

2011年7月29日金曜日

ポーター「差別化」

ポーターの競争戦略は他社との関係がポイントになります。ですから差別化が重要視されるわけです。



競争戦略の本質は差別化である。つまり、意図的にライバルとは異なる一連の活動を選び、独自の価値を提供することである。


‥戦略の本質は活動そのものにある。同じ活動をライバルとは違うやり方で進めたり、競合他社とは違う活動に着手する、それが戦略である。

さもなければ戦略とはいっても、単なるマーケティング上のスローガンでしかなく、とうてい競争の舞台で通用するものではない。



ポーターの競争戦略の差別化とは単純に製品やサービスの目先を変えるといった意味ではありません。

自社の活動のすべての組み合わせの在り方を他社と違うようにするという全社的な取り組みを指しています。

これは拙著でまとめたドラッカーの経営戦略論と非常に近い考え方になります。

ドラッカーの場合、顧客創造の成果は市場と顧客、商品・サービス、そしてその間をつなぐ流通チャネルのバランスによって実現されます。

さらにこの成果の3つの領域はヒト・モノ・カネの投入とその独特の組み合わせによってもたらされます。この全体の在り方を他社と違うようにすることが経営戦略です。

かなり似ていますね。



(浅沼 宏和)

2011年7月28日木曜日

ポーター「戦略とは何か」

ポーターの理論は初期のころと90年代以降のものとではちょっと違ってきています。

年々、ドラッカーに近くなってきている気がしています。

戦略の定義もちょっと変ったりしています。


戦略とは、企業としての活動の間にフィットを生み出すことである。

戦略が成功するかどうかは、多数のものごとをうまくやり(少数ではいけない)、しかもそれらを統合できるかどうかで決まってくる。

活動がお互いにフィットしていなければ、明確な戦略もありえないし、競争優位もまず維持できない。


ポーターは活動のフィットを特に重視するようになっています。


(浅沼 宏和)

ポーター「効率化と戦略の違い」

ポーターは効率化戦略は明確に違うものとしてとらえています。


しかし、企業の側ではこの違いが十分に意識されていないため、戦略が不在のままになっているといいます。

ポーターは米国の商業印刷業界の例を取り上げつつ、次のように言っています。


‥こうした競争はオペレーション効率を絶対的に改善するものの、相対的な優位は誰も手にしない結果に終わる。


‥生産性の改善分は、ほとんどが顧客や機器供給業者に還元されてしまい、優れた収益性という形では残らない。



効率性を争う競争では企業同士が似てしまうため、結局どの会社も利益が得られないというのです。


‥戦略は同じものに収斂していく。そして競争は、すべての企業が同じ道をひた走る、誰も勝利を得られないものとなってしまう。

オペレーション効率のみに立脚した競争はお互いに傷つけるだけであり、競争を制限することでしか止めようのない消耗戦になってしまう。


ということです。

ポーターは80年代までの日本企業の躍進が効率性競争に勝利したことでもたらされたものであり、その後の失速は戦略の不在によるものと分析しています。


(浅沼 宏和))

2011年7月27日水曜日

ポーター「業界とは何か」

ポーターの競争戦略論は業界分析と自社がその中でどのような立ち位置をとるかを考えるものです。


ここで問題となるのは「業界」とは何か?ということです。

一般的には、自動車業界、家電業界、医薬品業界といったくくりでいわれたりしていますが、ポーターは次のようにいっています。


互いに代替可能な製品をつくっている会社の集団―これが業界である


とすると、業界については色々な見方ができることになります。

たとえば同じ自動車であってもベンツとアルトでは「互いに代替可能な製品」とは言えないように思います。

ドラッカーはキャデラックのライバルはダイヤの指輪やミンクのコートであるという事例を取り上げていますが、この考え方からすると「ステータスシンボル業界」というものを考えることもできるでしょう。

ポーターの競争戦略論は一般的な知名度が高いため、安直な利用のされ方がなされているように思われます。

しかし、こうして概念を掘り下げていくと色々と考えさせるものであることがわかります。


ちなみに、私はポーター理論とドラッカー理論はお互いになじみやすいと考えています。



(浅沼宏和)

ポーター「競争戦略とは」

ポーターの戦略論は『競争戦略』と呼ばれています。   
要するに同業者などといかにして競争していくかを考えることが経営戦略であるということです。

ポーターの著作から、その説明の部分を抜き出してみます。


‥企業がその属する業界を全体として分析し、業界の今後の変化を予測し、競争相手の特性と自社の競争上の地位を理解し、この分析を特定企業の競争戦略に練り上げるための分析技法を、広い視野から説明しようとした


競争の戦略をつくるということは、企業がどのような競争に突入しようとしているのか、目標はどこに置くべきか、それら目標を実現するにはどんなポリシーが必要か、これらについて、幅広い処方箋をつくることである。


要するに自社が戦う業界を分析し、その中での立ち位置を決めていこうというものです。


こうした考え方はポーター以前の経営学にはありませんでした。

それ以前の場合、資源をまとめ上げてどのように使うかという計画的な視点の経営学が主流だったのですが、ポーターの登場で経営学は大きく変わったのです。



(浅沼 宏和)

マイケル・ポーターの競争戦略論

現在、マイケル・ポーターの著作を本格的に読み込んでいます。

ご承知の通りポーターは世界でもっとも有名な経営学者です。

一説によると経営学の三大権威は、マイケル・ポーター、ピーター・ドラッカー、そしてトム・ピータースであるそうです。

中でもポーターは学会においても並ぶもののない業績をあげて、ハーバード・ビジネス・スクールで史上最年少で正教授になっています。


彼の競争戦略論は影響力が大きく、「孫子以来の戦略家」とまでも言われているようです。

比較対象が2500年前の伝説的軍師であるところが、またポーターのすごいところです。


ポーターの理論は70年代後半から80年代にかけて特に注目を浴びていましたが、日本では最近特に再評価の流れができつつあります。

そのきっかけとなったのはワタミの社長である渡邊美樹氏が、座右の書としてポーターの著作をNHKで紹介したことだそうです。


ということで、これからポーターの著作の中から面白いところをちょくちょく紹介してきたいと思っています。

続けると際限もなくなりますので、並行していつものブログも書いていきます。




(浅沼 宏和)

2011年7月22日金曜日

ある経営者の名言⑧

・絶対あきらめない


「もうだめだ」「できない」というのは、実は自分の心が決めていること。
自ら限界を宣言してしまうようなものだ。

あきらめさえしなければ、知恵が湧いてきて必ず達成できる。



・世の中の流れを良く見る


時の流れを戻すことができないのと同様に、時代の流れ、うねりをとめることはできない。
だからといって、自分の信念を曲げて迎合しろということではない。

情報を取捨選択し、次はどうなっていくのか、良く観察し、
善処できる力を持たなければならない。



・世界の金持ちが次に考えていることは「人減らし」だ


世界人口が増え続けている。
いずれ食料不足が蔓延するだろう。

そんな少し先の世の中を読んで、
世界の数パーセントの富裕層が自己防衛で考えることは何か。

それは残酷のようだがどうやって人を減らせるかということだ。



・身なりの乱れは危険信号


髪を染めたり、髭を生やしたり、だらしのない服装にしたりすることで個性的だとか、
自己主張などと考えるのは間違いだ。
自由をはきちがえた身勝手にすぎない。

心の乱れ、弱さの裏返しともいえる。

よく人を身なりで判断してはいけないというが、
それは、人は身なりでその人を判断しがちなものだということのあらわれなのだ。


・一番先にやる


誰もやっていないことを最初にやるのは、勇気のいることだ。
難しいし、不安が付きまとう。

けれど、それをやらなければ、真の達成感は得られない。
最初にやった者しか獲得できないものがある。

二匹目のどじょうなどいないと思え。




・暇になると人間は腐る


仕事は忙しい人に頼めという。
暇な人間はろくな考えをしない。

それが習慣になって、さらに怠惰になる。
そして、最後には思考能力が停止する。




以上です。

これらは浜松のとある成長企業の創業者の語録です。

この会社はとても戦略的で、深く考えたマネジメントを実践しています。

さすがにこうした会社の経営者の言葉は奥が深くて勉強になります。



(浅沼 宏和)

2011年7月21日木曜日

ある経営者の名言⑦

・「言っておいたから」で済むと思うな


何事も必ず経過を確認し、対応していくことが肝要である。
上に立つ者は特に言いっぱなしであってはならない。

伝わっているかどうかを確かめもせず、できていないことを非難してはならない。
相互理解があってはじめてコミュニケーションができたということであり、
その人に言語力があるということになるのだ。


・楽天的に未来をとらえてうまくいくことをイメージせよ


人は自分の思うような人になる。
将来を悲観的に考えれば、そのような人生をたどるようになる。

幸せな生き方をするには、まず、良い自分の未来像を描くことだ。



・好奇心旺盛であれ


何かに興味を持とうとしないのは、
自らの成長を拒んでいるようなものだ。

自分の周りにあるすべての事象や人、自然に自分から飛び込んでいくことで、
今までとは違う世界を体験できるのは楽しいことではないか。



・済んだことは素直に認めよ


自分の犯した過ちに言い訳をしたりするのは、
人間としての成長を著しく阻害することになる。

間違えは誰にでもあること。
素直にそれを認め、なぜそうなったのかを考え、
二度と同じ失敗を繰り返さないことが大切なのだ。



・どうにもならないことを考えるな


世の中には自分の力ではどうしようもないことがある。
そのことに悩んだり、考えたりするのは愚の骨頂である。

そんな暇があったら、自分にできることは何なのかを考えるべきなのだ。



・一日一回自分を考える時間を持て


論語に「われ、日にわが身を三省す」とあるが三回とは言わない。
一回でいいから、今自分はなりたいような自分になる努力をしているか、

将来の目標に到達できるような行動ができているか、
人間として間違ったことをしていないかを考えれば、人生を過たずに済むだろう。



(浅沼 宏和)

2011年7月20日水曜日

ある経営者の名言⑥

・状況にあった思考回路の変更をする


お客様から特命をうけるためには、
前回と同じ仕様だからなどといって安穏としてはいけない。

考えて考えて、少しでも前より良いものを作ろうとする気構えがなければ
感動を与えることなどできない。



・すべてはお客様のために


お客様があって初めて仕事がある。
しかし、「お客様のために」というのは、必ずしもお客様の言うなりになるということではない。

お客様の立場になって考え、それがお客様のためになることであるならば
苦言を呈することも必要だ。

真剣にお客様のことを考えてのことならきっと信頼感が生まれる。
ゆめゆめ自分の都合で行動してはならない。



・瞬間瞬間で考える


状況は刻一刻と動き変わっていくものだ。
それを昨日の論理で判断してはならない。

終わってから考えるのではなく、考えながら行動する。

今、このときが大切な決断の時なのだ。



・誰でも知りうるものは良い情報とは言えない


たとえば、新聞の一面に大見出しで書かれているようなことはすでに旬を過ぎており、
誰でも知っている情報といえる。

むしろ隅の方に小さな記事として出ていることに意外と近い将来に
そうなるだろう情報があるものだ。

情報を正しく見極め少し先にそれらを察知する能力が必要だ。


・今までと同じやり方ではいけない


むずかしい問題、困難に当たった時、
いつも同じやり方、考え方、経験則では解決できないこともある。

思いきって逆転の発想をするなど、今までとは違う方法をとってみることも必要だ。





(浅沼 宏和)

ある経営者の名言⑤

・公平に見ることが大事


リーダーになる人には、公平な視野が必要だ。
感情に左右されてはならない。
また、平等と公平は異なる。
すべての人に同じようにすることが、必ずしも公平であるとは言えないことも知っておくことだ。



・個人事業主の発想を持て


「どうすればもうかる」「こうすればもうかる」ということを常に念頭にして考える。
与えられた職務を遂行するにもこのことを基本にすれば結果的に自分に利益が返ってくる。



・なんで悪くなったかわからないように会社はつぶれる


「ゆで蛙」になってはならぬ。
いい湯加減と安穏としていると
自分が気付かないうちにゆであがってしまう。
会社組織も同じ。
遅きに失せぬように細事に目を光らせる。



・伝票の書き方ひとつで仕事のできるできないはわかる


必要なことを正確に伝えるというビジネスで最も大事なことの基本が
「伝票を書く」ということの中にある。




(浅沼 宏和)

2011年7月19日火曜日

ある経営者の名言④

名言集の続きです


・一日5分でいいから毎日勉強する


一夜漬けの勉強は実にならん。
毎日こつこつ間断なく、習慣のように学ぶことが5年先、10年先の大きな差になる。


・知らないことをいつまでも知らないままにしておくとお金にならない


自分の知らないことの中に実は儲けの種がある。
その種に目を向けないでいると種もまけないし、結実した大きな果実を収穫することはできない。


・誰でもできるような仕事でいい給料がもらえる訳がない


製造企業が海外に拠点を移すのにはいくつかの理由がある。その一つは、安い労働力。
機械でやれることはそのほうが正確で量産、時短が図れる。

人がやらなければならない仕事でも、マニュアルがあれば誰でも対応できるような仕事に付加価値は付かない。結果、安い賃金になる。
海外労働力や機械ではできないことを考えてすることが高い給料を稼ぎ出すことになる。


・わからないことがわからない、その次にわからないことがわかるようになる


はじめのうちは、何が分かっていないのかさえ理解できていなくても、
学んでいけばわからないことの原因が見えてくる。
原因が分かれば、対処の方法、解決のめどが立つ。


・正確と精度は異なる


数値で言うなら「正確」は100%
「精度」は0から100%。
「精度」には工程の幅があり、
「精度」のもっとも高いものが「正確」ということだ。




(浅沼 宏和)

2011年7月18日月曜日

ある経営者の名言③

名言集の続きです。


・プロは寝ている暇などない


お客様に満足していただくということは、人知れず努力した結果、生まれるものである。
その道のプロといわれるからには、人様からお金をいただくとはどういうことか、よく理解していなければならない。


・簡単なことは解っているようで意外と解っていないもの


たとえば空気の成分は何なのか。わかっているようでわからない。
知っているようで知らないことが世の中にはたくさんある。
ほんの少しだけそのことについて知っているかどうかがプロとアマの差であったりする。


・「金」の足しになる事を勉強する


何の勉強をすればよいのかわからないなら、まず、「儲け」につながることを考えたらどうだ。
結果が出るとおもしろくなり、さらに学ぶ原動力になる。
クソの役にも立たないことに時間を割いてはもったいないよ。


・ボールを良く見て打て


ボールの縫い目がわかるほど集中して見て打つ。
そして、打ったら飛んでいく方向をイメージする。

仕事も同じ。
よく考え行動し、どのような結果にしたいのか意識して取り組むのだ。



・応用こそが価値(金)を産む


人に言われたことをそのままやるのではなく、何か一工夫して価値をつける。
何かと何かを組み合わせて別のものを作り出す。
いつも不便だと感じていることを解決するようなものを考える。
それを具現化することが応用ということ。


(浅沼 宏和)

ある経営者の名言②

続きです。ここでのご紹介は全く手を加えていません。



・掃除がしっかりできる者が仕事もできる


ホウキは持っているがチリトリはないは、下。
ホウキで掃いているが心あらずは、下。
決められた場所をキレイにするは、中。

状況を良く見、判断し、人が気づかぬところを素早く清掃するが、上。
何のために、どうしてそれをするのか考えて行動する。仕事も同じこと。


・いろはの「い」の字から勉強する


仕事でも、スポーツでも、いきなり大きな実績を得たり、華麗なプレーはできない。
基本中の基本がしっかり身についていないと人に感銘を与えることなどできない。


・欲しいものは自分でつくる


何でも与えてもらえるなどと考えるな。
必要な者は自分で作る。
自分が先駆けとなり、道を切り開いていく。
そういう心意気が今の若い人には欠けている。


・世界を知らずして商売はできない


鎖国しているならいざ知らず、情報が世界中から発信され、
それらを自由に享受できる世の中で、その流れを察知して、
どのように対処すべきかを考えて行動しなければ、
どんなに良いものを作ったとしても売れやしない。


・歴史を知らずして将来を知り得ず


学ぶと歴史が繰り返されることが分かる。
人知の及ばないことは別として、政治・経済など人為によるものは、
失敗も成功も過去の中に良い手本として残っている。
それらを糧とすれば将来を過たずに済むだろう。




(浅沼 宏和)

2011年7月16日土曜日

ある経営者の名言①

浜松のある優良企業の創業経営者の方が、次世代にバトンタッチをするにあたり、自身の経営哲学などを小冊子にまとめたものを頂戴しました。

私のように「理」が先行する人間と違い、深い経験に裏打ちされて後から「理」になったものには深い説得力があります。

私だけが知っているのはもったいないので社名を伏せてシリーズでご紹介していきたいと思います。





・当たり前のことを当たり前にする


時代や年齢によって「当たり前」の概念は違うという人がいるかもしれないが、
人が人として生きていくための、また仲良く暮らすための「当たり前」は、普遍的なもの。

それさえできれば、会社は未来永劫存続できるといっていい。


・記憶するより記録せよ


人の記憶ほどあてにならないものはない。
仕事上でトラブルとなることの大半は、
「言った」「言わない」の口約束である。

お客様との信頼関係を損なわないためにも大事なことは記録しておくことが肝要だ。


やろうかどうしようか迷った時はやれ!


やらないで後悔するぐらいなら、やって後悔するほうをえらぶべきじゃないか。
積極的にやって失敗したことは、経験として身につくことが多くあるし、
それを咎める者はいない。


・会議では必ず一言以上発言せよ


集い、議論し、より良い状況を作り出そうというのが会議なのだから、
自分の考えを言わないというのは無責任なことだ。

我関せずは、もってのほか。おそれず積極的に発言せよ。



・机の中に私物はない


会社にあるものは共有するもの、会社所有のものだ。
特に机の中は誰が開けても使っても構わない。

私物化したり、だらしない状態にせず、信頼関係の中で有効に使うものと心得よ。


・成果を出す努力をした人が生き残る


幸せにならなきゃいけない。
でも、何もしないで「幸せ」になんかなれないよ。

幸せになるためにどれだけ努力したか、それが結果となるものなんだ。




(浅沼 宏和)

閑話休題-中日新聞の記事

「世界一やさしいドラッカーの教科書」の取材をまた受けました。

今度は中日新聞です。

こうやって取り上げていただくことはありがたい限りです。










(浅沼 宏和)

2011年7月15日金曜日

書評-「バカになれる人はバカじゃない」⑤

・一番良い教科書をていねいに読みなさい

良い本はわかりやすく、知的好奇心を刺激する。
良い本は自分の世界を広げてくれる。
一流の人が書いた一流の本を読み、一番良いところを吸収する。


・勉強をせずに人生を生きるのは無免許運転と同じ

すべての順境・逆境を経験できる人はいない。だからこそ、色々な人を見たり、本を読んだりして「勉強」しなければならない。
毎日生きていても、勉強しなければ人生の本質はわからない。


・同じやるなら徹底してやる

徹底的にやらなければ分からないことがある。
徹底的にやることは成長するためのキーワード。
徹底してやるとは自分の持つ力を100%出すこと。
ひとつのことを徹底してできる人は、また別のことも徹底して極めていくことができる。


・「自分はバカだ」と言える人が一流になる

悔しさや反発だけでは大きな成長は生まれない。
それ以上に伸びたいと思ったら、謙虚に省みて自分が足りないことを認め、どこをどう補えばよいか反省しなければならない。


・「思い入れ」が「思いこみ」になると失敗する

思い入れと思いこみはよく似ているようで全く違う。
思い込みは捨てて、つねに世の中の視点で見ることが大切。


・一番高い山の頂のさらに上を目指す

人間は神ではないのでどんな努力をしても100%完璧ではない。
逆に言うと、自分は完璧だと思った瞬間に間違いを犯す、もしくは成長が止まる。
一番高い山の頂のさらに上を目指すことで発展する。
常にバカになってベストを尽くす。完璧にはなりえないが完璧を目指す。


・月間目標を立てると人生の目標を見つけやすくなる

毎月、1日目に月間目標を立てる。
仕事の本質を勉強する目標とプライベートな目標の二つが特に大切。
月間目標を毎月立てているうちに人生の長い目標が見つかる。



以上でまとめを終わります。


今回の本では小宮一慶氏は自身がドラッカーの影響を強く受けていることを認めています。

私の知る限り、小宮氏の著書でこうしたことを書いていあるのは初めてのような気がします。

また、本書は論語的な主張が多く見られ、小宮氏のスタンスの変化の兆しを感じます。

人生訓や辻説法的なにおいが強まった気がします。

私は小宮氏の以前のスタンスの方がより好ましく思われます。



(浅沼 宏和)

2011年7月14日木曜日

書評-「バカになれる人はバカじゃない」④

・自分にしか照らせない片隅を照らす

自分にしかできない仕事に集中する。
何にどれだけ特化するかが自分が生きている意味を高める。


・人はなぜか得意なところで失敗する

得意な分野ではおごりが出やすい。
どんな得意なことでも最後の最後まで気を抜かず、ミスをしないように注意する。


・今起きていることは、過去の自分が意思決定したことの結果である。

つまり、今やっていることが未来の自分を決めていく。
今の自分がベストを尽くして決める小さな意思決定が未来を決めていく。
だからこそ、目の前のことを向上心を持って全力でやろうとしているかどうかが小さな意思決定に影響する。


・準備の足りない人に運命の出会いは訪れない

多くの人に会うといいことが起きる。
ただし、自分に十分な準備ができていなければ何も起きない。
人と会うのはチャンス。でもチャンスを生かすには準備が必要だ。
正しい考えを持ち、いつもベストを尽くしている人には多くのチャンスが訪れる。


(浅沼 宏和)

書評-「バカになれる人はバカじゃない」③

・利益を出すために仕事をするのは間違い

利益を出すために仕事をするのと、利益が出るくらい良い仕事をすることは大違い。
仕事を手段とみているか目的とみているかの違いがある。
良い仕事をして、お客様に喜んでいただき、本当にその仕事をしてよかったと思えるぐらいになれば、お金は必ず入ってくる。


・ナンバーワンでなければ見えない景色がある

企業でも業界シェア1番と2番との間には想像以上の差がある。ナンバーワンでなければ見えない世界がある。
目指すならその分野ナンバーワン。二番手に甘んじると、二番手の生き方・考え方にいやおうなくなってしまう。


・仕事の時間外に仕事の「本質」を勉強する

ある程度の年齢になって、いろいろなことを総合的に判断しなければならない立場になったとき、本質を知るのと知らないのとでは大きな差が表れる。
本質の勉強は会社では教えてくれない。会社ではオンザジョブだけ。
本質を知らないようでは応用が利かない。
本質は仕事の時間以外で自分で勉強していくしかない。

・能力の差は調べ物をしたときにあらわれる

政府の統計や企業の業績など大本の資料にあたって調べる中間の有無が成長を決める。
どんな仕事でも本質をつかもうとして取り組む人間と目の前の仕事を流すだけの人ではその後の伸びが違ってくる。
情報過多の時代であるからこそ、まっさらなデータに向かってその「本質」を読み取る力が必要とされる。
仕事を離れたら仕事のことは一切忘れたいという人はその仕事で成功することはできない。



(浅沼 宏和)


(浅沼 宏和)

2011年7月13日水曜日

書評-「バカになれる人はバカじゃない」②

・「一人前」が「一流」になるためにやるべきこと     

ヒトはだれでも一人前にはなれる。しかし、一人前と一流は違う。
一人前はせいぜい自分の周辺しか幸せにできない。しかし、一流は多くの人を幸せにできる。

多くの人は一人前になった時点で満足する。そして遊びや趣味に時間を取られる。
自分はこれで生きようと思ったら、一流を目指すべき。
一人前と一流の差はほんのわずか。あと一息、頑張ることを続ければ一流になれる。


・どうでもいいような小さなことにこだわれ

小さなことに気付くか気づかないかの差が大きな違いとなる。
景気が悪い時でも伸びている会社はいずれも小さなことに気付き、それをきちんと行動に移している。
誰も気にとめていないような小さなことにこだわることは世界が変わって見えるきっかけとなる。


・一日の終わりに必ず自分を振り返る

日記を書くべき。
日記は「時分はベストを尽くしているか?」を気づかせてくれる。
日記を書くと自分を振り返る習慣ができる。


・よく働いた一日はよく眠れ、よく生きた一生はよく死ねる

目の前の仕事にとことん全力を尽くす。
この当たり前のことを、とことん自問自答する。

中途半端にやっていると実力はいつまでも上がらない。
ベストを尽くさないと十分に反省もできない。ベストを尽くした人は全エネルギーを出すので、疲れてよく眠れるものだ。


・楽でない仕事を楽しくやるのが最強の働き方

仕事が好きな人は結果として良い業績をあげる。その結果、ますます仕事が好きになる。
一番いいのは楽ではない仕事を楽しくやること。
楽でない仕事をしてこそ世間は認めてくれる。その楽でない仕事を楽しくやることこそ最強の働き方だ。



(浅沼 宏和)

2011年7月9日土曜日

書評-「バカになれる人はバカじゃない」①

小宮一慶 『バカになれる人はバカじゃない』 サンマーク出版、2011年 定価 1300円+税 


ドラッカー度数の高い小宮氏の近作です。

小宮氏はこういったタイプのタイトルが似合わない人だと思うのですが、内容は例によって面白いです。


・小さな行動を変えない限り、人生は変わらない

行動しなければ何も変わらない。行動すれば何かが変わる。行動し続けることで意識や考え方が変わってくる。
行動することはとても大事。小さな行動こそ大事と考えるべき。特に掃除は大事。


・頭で考えるよりも手を使いなさい

手を使っている人は体が動いているので明るくなる。体が動くことは行動することなので何らかの結果が出る。行動する人は強い。


・幼稚園のこどもでもできることを毎日やり続ける

「履物がそろうと心がそろう」という言葉は有名。こんな簡単なことができない人はそれより難しいことはできない。


・素振りで手を抜く人は信用するな!

凡人が向上するためには行動から入るほうが早いし、間違いがない。
剣道なら素振りや正座をする。この小さな行動の繰り返しがきちんとした考え方を身に着けさせることになる。
社会が求めているのは意識・考え方ではない。行動である。

・新聞記事を書きとめることが大切

それが「一歩踏み込む」習慣を身につけさせる。




小宮氏は非常にドラッカー度数の高いコンサルタントですが、本書では特に「真摯さ」について独自の解説を施しているといえます。

面白い本なのでしばらく解説を続けたいと思います。




(浅沼 宏和)

閑話休題-静岡新聞の記事

出版した本について中日新聞、静岡新聞と立て続けに記者の方が取材に見えました。

ちょっと前に見えられたのですが、今朝の静岡新聞に記事が掲載されていました。




(浅沼 宏和)

2011年7月7日木曜日

◆拙著の増刷が決まりました。

おかげさまで先月刊行された拙著「世界一やさしいドラッカーの教科書」の増刷が決まりました。


これも皆さんのおかげであると思います。ありがとうございます。



これから次回作の最終チェックがありますが、そちらもできるだけ良いものにしたいと思います。




(浅沼宏和)