2011年5月29日日曜日

書評-「ユニクロ帝国の光と影」⑯

ユニクロが原材料調達も含めてSPAを完成させたのが2004年か2005年ごろであったといわれています。

ユニクロのSPAの成功によって日本のファッション文化が変わりました。

ユニクロの価格と比べると今まで適正価格であると思われていた他社の衣料品がムダなコストのためにいかに高くなっていたのかが消費者に分かってしまったのです。

そして「頑張って高級品を買うことは恥ずかしいことであり、低価格であっても価値ある商品を選別して購入するのが賢い生活者である」という認識が広まったのです。

またユニクロは人気ブランドとしての地位も確立しました。



本書の筆者は柳井氏の強権的・独裁的な経営姿勢を批判しているのですが、そうでなければこれほどの企業には成長しなかったのではないかと思います。

成功者には毀誉褒貶が付きまとうものだと思いますが、経営者としての短所よりもかなりたくさんの長所の持ち主であるように思います。

長きにわたりましたが、今回で本書の書評は終わりです。

私としてもユニクロの経営戦略を時系列で整理できたことをうれしく思っています。



(浅沼 宏和)