2010年3月10日水曜日

閑話休題-言志四録

今週浜松で行われたShizuginship(静銀の勉強会)のセミナーのテーマが「言志四録」でした。
講師は名古屋大原学園理事長の杉山巌海氏です。

経営セミナーはテクニカルなものが多くなりがちですが、名著をテーマにするのもたまにはいいものです。



さてこの言志四録は幕末の儒者・佐藤一斎によってまとめられた教訓集のようなもので、西郷隆盛をはじめとする幕末の志士に多数の信奉者がいたといういわれがある本です。

私がこれを初めて読んだのは30代後半ぐらいの時でしたが、年を経ると違った文句に共感を覚えるようになったりします。

その中から処世術的なものをいくつか現代訳を私が省略してご紹介します。


・真に大志ある者は、小さな事柄をも粗末にしないで勤め励み、真に遠大な考えを持つ者は些細なこともおろそかにしない。

・今時の人は口癖のように忙しいという。しかし、そのしているところを見ると、実際に必要なことをしているのは十のうち一、二にすぎず、つまらぬ仕事が十のうち八、九である。

・若い時は経験を積んだ人のように十分考えて手落ちのないよう工夫するのがよい。年をとってからは若者の意気と気力を失わないようにするがよい。

・人が賢いか否かは初めて見たときに直覚した印象が多くの場合間違いがない。

・思いがかなった時こそ一歩下がる工夫をするべきである。尊貴をきわめたものは引くことを考えておかなければ必ず後悔する時が来る。

・人と話すときは相手の長所を話させるがよい。自分に益するところがある。

・できるだけ大所高所に目を付ければ、道理が見えて迷うことはない。

・十分考えてこれが最善であると決定して、やむにやまれない勢いで活動すればいささかも行き詰らない。


といった感じです。

なるほどというものが多くあります。

一方で聖人の話であるとか老荘思想の話とかもありますので、読んでいてためになるなと思える言葉の比率は1~2割といった感じです。

それは自分がビジネスシーンに真っ只中にいるために関心の持ち方がそうなっているということなのだと思います。

さすがに今は日常的に宇宙の真理を考えることはありませんが、また何年かすると違った見方になるのかもしれません。


私は講談社学術文庫の全4巻シリーズを持っています。
まとめて買うと多少高めですが、まあずっと読み続けていく類の本ですからコストパフォーマンスは良いでしょう。