2010年2月27日土曜日

意思決定とマネジメントの泥臭さ

「 戦略的な意思決定では、範囲、複雑さ、重要さがどうあろうとも、初めから答えを得ようとしてはならない。重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい答えを探すことである。 」(『現代の経営』より)



問いを探すことの重要性についての記述です。

「 リーダーシップについての本や論文の多くが、迅速、有効、強力に意思決定を行う方法について論じる。しかし、問題が何であるかを迅速に決定させることほど愚かで、結局は時間の無駄を招く助言はない。 」(『現代の経営』より)


このように意思決定を正しく行うことは難しいわけです。常に間違っている可能性は付きまとっているわけで、それが「リスクをとる」という経営における最重要課題へとつながっていくわけです。

しかし、自信を持ってリスクをとるためには、考えに考え抜いたうえで問題を明らかにし、そこから方向性を決めていくという難しい判断を行わなければならないでしょう。

ドラッカー的なマネジメントというのは非常に高度な知的判断を要求するものであるということができます。

しかし、たっぷりと時間をかけることはあまりできないのが普通です。マネジメントは常に時間の制約の中で行われるものです。
ですから、完璧なマネジメントはありえず、常に不完全なまま走り始めなければなりません。

走りつつも適切な問題を探し続けなければならないわけで、ここら辺りにマネジメントの葛藤があるのでしょう。