2010年2月21日日曜日

コストの生まれる場所

「 企業の内部にはコストしか存在しない。‥企業の中にはコストセンターしかない。顧客が製品やサービスを買ってくれ、代金を支払ってくれて初めて利益は生まれる。 」(『ポスト資本主義社会』より)



ドラッカーは成果は企業の外にしかないと断言します。結果として、企業内部にはコストしかないわけです。
ですから、目線は常に外に向かわなければならないわけです。

極端なことを言えば、内部の活動が一切ないのにお金が外からもたらされるような状況が究極のマネジメントといえるでしょうか。
「印税生活」といったものがそのイメージになると思います。

現在のような成熟市場においては企業外部に対して特に強力に働きかけない限り、明確な成果は上がりません。

ほおっておくと内部コストだけがどんどん膨らんでいくこととなるでしょう。外部環境が変化したら、内部の在り方も明確に変えていかなければなりません。もちろん一人一人の役割分担、ひいては仕事についてのやり方、考え方も変えていかなければなりません。

企業内の最大のコストとは「時間の浪費」です。

しかし、この時間の浪費は意外と目に見えてこないものです。

企業の仕事の体制は、その企業が必要とする最大生産量をもとに構築されているものです。
多忙な時期はその体制がフル活動します。しかし、その時期が過ぎると無意識なスローダウンが生じます。この状態が「時間の浪費」です。

生産工程の「見える化」が進んでいる製造業ではこのムダがよく見えます。しかし、その他の産業、特にサービス業ではこれが見えにくくなります。
「サービス業は付加価値が低い」といわれる理由はここにあります。

コスト管理の要諦は対業績比です。さらにその重点は時間の有効活用にあると思われます。