2010年2月14日日曜日

ワークライフバランスとドラッカー

今日の日経朝刊にワークライフバランスの実現のため、女性の雇用促進や労働時間短縮などを進める企業を公契約の入札で優遇する方針を政府が固めたという記事がありました。


この政策を実行すれば政府はあまり予算をかけずに子育て支援や国際的な時短の動向に乗り遅れない状況が作り出せるわけです。

ワークライフバランスを実現するために必要な視点があります。それはドラッカーの言うところの「仕事の生産性」です。

ワークライフバランスを実現するために就業時間を削減することはよいことです。しかし、たとえば時間を10%削減したところ成果も10%減りましたということではワークライフバランスの実現は単に競争力を落としただけの無益な活動になってしまうわけです。

ドラッカーはコスト管理の要点は投入資源あたりの成果を最大化することに尽きると考えています。ですからワークライフバランスを実現するためには一人当たりの成果を何割かアップさせることが必要なわけです。

大野耐一氏の「トヨタ生産方式」には、トヨタが生産性を高めるために目標を達成するたびに現場からごっそりと人員を引き抜いてしまい、以前よりかなり少ない人数で以前の生産を実現させることを繰り返している旨のことが述べられています。ワークライフバランスの実現には同じことが必要になるわけです。

ワークライフバランスの実現であるとか時短であるとかいう場合、論理的には単位時間当たりni
求められる成果水準が高くなることが大前提となっていることを理解する必要があるでしょう。
また、それを実現するためには各人が自覚を持ってスキルアップする必要があるわけです。