2010年2月16日火曜日

マーケティングとイノベーション

ドラッカーは企業の外にしか成果はないと述べています。
そして、マーケティングイノベーションだけが成果を上げると言っているわけです。

まずマーケティングとは、事業の最終成果を生み出す活動、つまりは顧客から見た事業全体にかかわるものであることです

そのためには中核市場(顧客が存在している市場)の場所を明らかにすること。そしてその市場における自社の地位・ポジションを決めることが必要になります。

さらに具体的には商品・サービスについて、廃棄するのか、維持・改善するのか、革新(市場を含めて)するのか、といったことを決めることになります。

次いで、イノベーションについてです。

ドラッカー的なイノベーションについては、一つには上記のマーケティングの目標を達成するための手段としての目標、もう一つには将来に起こりうるあらゆる分野における新事態にかかわるものといった二つの視点が必要です。

イノベーションの対象となる活動は、マーケティングのほかに、人的資源と組織、物的資源、生産性、財務、マネジメントそのもの等が該当すると考えるのが東洋大の河野大機教授の立場です。

イノベーションはドラッカーの記述ではその境界線が微妙なのですが、河野教授の説によればすっきりします。


私はかつては、「ドラッカーのマーケティングとイノベーションには重複する部分があるがどうとらえたらよいだろうか」と悩んでいました。

しかし、東洋大の河野教授の著作から上記の構造を知り、現在はそれらを合わせて「戦略要因」と考えるようになりました。

ただし、河野教授とは若干考え方が異なるのですが、それはまた別の機会に書きたいと思います。

私におけるドラッカー理論の整理・発展といったところでしょうか。