2010年2月22日月曜日

ドラッカー流の意思決定

経営の中心的課題が意思決定です。


「 意思決定についての教科書の第1ページは、事実を収集せよである。だが、問題を定義し分類しないことには、それは不可能である。 」(『現代の経営』より)


意思決定をするときに、情報収集から始めても無益であるということです。問題がはっきりすることで集めるべき情報がわかるということです。

特に重要性の高い意思決定ほど「問い」を明確にすることを意識しなければならないわけです。


「 問題の解決だけを重視してよい意思決定は、さして重要でない日常の戦術的な意思決定である。 」(『現代の経営』より)


問題解決は重要です。日常的な取り組みです。しかし、それはあくまでも日々の仕事としての重要性であり、企業の将来を決めるような重要な活動とは明確に区別するべきです。

この問いを明らかにすることは、意識の次元としては異なる水準のものになります。この意識の次元を持てる人がマネジャーになる条件を持っていると考えられます。

しかし、この資質は先天的なものというよりも本人が自覚することによって得られるものとみなされています。

ドラッカーはプロフェッショナルとマネジャーを区別しています。特にマネジャー・クラスに求められる資質が問題を定義し分類する能力であるといえます。

かといって、マネジャー以外の人が戦略的視点がなくてよいということではありません。

組織は全員の力を合わせて成果を上げるものです。あらゆる構成員は成果に対して貢献しなければなりません。

だれが一人のベクトルがずれているだけで全体の成果は減少します。組織はできるだけ多くの成果を上げなければなりません。常に無駄は生じているはずです。

マネジャーは戦略的視点で意思決定をします。その他のビジネスパーソンはその方向性に向かって貢献し、全体成果を最大限にする必要があるわけです。