2010年1月21日木曜日

ドラッカーの考える事業の定義

ドラッカーは事業を定義することの重要性を指摘します。

前回は「顧客はだれか?」という問いの意味を具体例で説明しました。この問いは事業の定義のために必要なのです。

ドラッカーが事業の定義のために考えた問いを並べると次のようになります。

①顧客はだれか?
②顧客はどこにいるのか?
③顧客は何に価値を見出すのか?
④わたしたちの事業はこのままいくとどうなるのか?
⑤わたしたちの事業はどうあるべきなのか?
⑥今の事業のうち何を捨てるべきなのか?

事業の定義は顧客からスタートするのが基本です。①、②、③はそのための問いです。
④の問いは事業の現状を知るための問いです。
⑤は具体的将来像を描くための問いです。ここから現状とのギャップを示します。
⑥は未来に集中するために必要な問いです。

これらを明らかにしなければ具体的行動に移れないわけです。

私はドラッカー経営の第一歩は ミッション(使命)、ビジョン(将来像)、バリュー(価値)の3つを明確にすることであると思っています。これらを合わせてミッション・ステートメントといったりします。

ドラッカーの著書でミッション(使命)と書かれている内容は現在の実務においては、ミッション・ステートメント全体が説明しているものと考えるれば誤解がなくなると思います。

日本の企業では「経営理念、経営方針、‥」といた並びで書かれている場合が多いと思います。
しかし、その多くが立派な言葉ではあるけれど、どこの会社にも当てはまる抽象的な内容になっている場合が多いように思います。

私は企業のミッション・ステートメントは、その内容に基づいて戦略・アクションプランを思いつけるような内容でなければならないと考えます。

ドラッカー経営においてミッション・ビジョン・バリューは、行動するための羅針盤となるものです。

ではどのような内容ならば良いかといえば、社名を伏せても、ミッション・ステートメントを読めばその会社の未来が生き生きと想像できるようなものであると思います。

欧米の有名企業のほとんどはミッションステートメントを作成し、外部に公表しています。

明日から、それらを紹介していきたいと思います。