2010年1月19日火曜日

ドラッカー経営-利益の機能②

前回に続いて利益です。

ドラッカーは次のように述べています。

基本的な目標を実現するうえで必要な利益に欠ける企業は、限界的な危うい企業である。
もちろん利益計画の作成は必要である。
しかし、それは、無意味な常套句となっている利益の極大化についての計画ではなく、利益の必要額についての計画でなければならない。
ただしその必要額は、多くの企業が実際にあげている利益はもちろん、その目標としている極大額をも大きく上回ることを知らなければならない。
     (『エッセンシャル マネジメント』p.35)

企業の目的は利益の極大化という視点は経済学において仮定されている考え方です。

ドラッカーの利益概念は、必要額としての利益です。
ですから変な言い方に聞こえるかもしれませんが、ドラッカーは利益とは必要コストであると考えています。

少し、くわしく説明しますと、借入金がある場合には、それを返済するためには利益が必要でしょう。社員の待遇を良くするためにも利益が必要です。
社会において責任を果たすためにも利益の原資がなければなりません。
将来柱となる事業を育てるための資金も必要です。新たな設備投資に備えることも視野に入れなければなりません。

このように企業が長期的に繁栄するための視点からは、必要利益は大きなものになります。

ドラッカーは利益は目標ではなく条件であると指摘してしています。

それは、目標利益ではなく必要利益を考えることを重視するという意味です。

企業の目的は顧客の創造です。
それは、顧客の満足を最大化させる活動を目的とするということです。