2010年5月28日金曜日

プロフェッショナルの倫理

現在、企業研修の依頼を数件受けている関係でドラッカーの考えを再検討しています。

ドラッカーの経営論は大きく分けて二つあります。

一つは組織の仕組みを作り、戦略を立て、資源を配分し、実行していくやり方についてです。マクロの経営論といったところでしょうか。

もう一つは、個々のビジネスパーソンが直面する問題、つまり仕事をどのようにとらえるべきか、自分自身や他人とどのようにかかわるべきかという問題です。ミクロの経営論というべきものです。

このミクロの経営論にはいくつかの柱がありますが、その一つがプロフェッショナルについての考え方です。

ドラッカーはプロフェッショナルの倫理として次のような考えを明らかにしています。


顧客に対して必ずよい結果をもたらすという保証を与えることはできない。最善を尽くすことしかできない。


つまり、完璧であることは無理であり、ベストを尽くすということだけが約束できるということです。

当たり前の話ですね。

もうひとつの倫理原則があります。


知りながら害をなすな


知っていながら顧客に損害を与えてはならない。

これも当たり前です。

しかし、この単純な原則には深い意味があります。次回はそれを考えます。