2010年6月16日水曜日

柳井正の組織論

会社組織は、その会社の事業目的を遂行するためにある。
いったん、組織が出来上がってしまうと、今度はその組織を維持するために仕事をしているように見えることがある。

‥おそらく組織保存の法則のようなものがあって、組織を作ると上司はそれに安住するほうが楽なので、変化を求めず安定を求めていく。

会社の環境、顧客や社会情勢が変わると、組織や人員配置を変えなければ対応できないのに、環境等が変わったこと自体を認めなくなるのだ。
                         (柳井正『一勝九敗』より)




組織の自己目的化は大なり小なりおこるものです。その最たるものは官僚組織でしょう。

そこで柳井氏は次のように主張します。


組織は攻めのために作り、守りのためには必要最低限のものしかいらない。
常に仕事をするためにあって、組織のための仕事というのはない、と考えておく必要がある。

‥当社の組織はよく変わるといわれる。‥まだまだ流動性が足りず、毎日変えたいくらいだ。

                          (柳井正『一勝九敗』より)



柳井氏は組織の存在意義はミッションの達成にあると明確に意識しています。組織はそのための手段であり、手段を目的化することの危険を強く意識しているようです。

経営理念は多くの企業で作られています。

しかし、その理念を読んだだけでどこの会社かが分かるほど具体的に書かれている場合は少ないように思えます。

経営理念を読んだだけで会社が映像化できるぐらいに具体的に設定しなければ、組織を作る上であまり役に立たないような気がします。