マーカス・バッキンガム&カート・コフマン『まず、ルールを破れ すぐれたマネジャーはここが違う』日本経済新聞社、2000年 定価1,680円
この本はドラッカー度数90%以上です。ドラッカーのヒトのマネジメント理論とほぼ同じですが、より噛み砕いてあります。
内容は以下の通りです。
優れたマネジャーには次のような考え方がある。
「人はそんなに変わらない。足りないものを植え付ける努力はするな。その中にあるものを引き出せ」
マネジャーの役割は部下の才能をパフォーマンスに結びつけることだ。そのために必要となる行動は 人を選ぶ 要求を設定する 動機づけ 育てる の4つである。
1、人を選ぶ
常識では人材を経験・知識・意志の強さで選ぶことになっている。しかし、職務で必要なのはその仕事特有の「才能」である。
看護婦の思いやり、販売員の積極性は後天的には身に付かない。才能は身に付かない。
優れた仕事のための才能には「努力する才能」「考える才能」「人づきあいの才能」がある。人はこの3つの才能を独特に組み合わせている。
2、要求を設定する
マネジャーの仕事は部下をパフォーマンスの達成に専念させること。
そのためには成果を適切に定義し、各人がその成果・目標に向かって自分なりの道筋を見つけるように仕向ければよい。
そして成果を定義するとは「顧客に取って正しいものとは何か」を考えて指針を作ることである。
3、動機づける
そのためには部下の強みを生かさねばならない。個々の強みを見つけ、それを生かし、そしてその目標を達成できるように持っていくことが最も効率的な方法である。
4、育てる
マネジャーの責任は、部下を一番成功するチャンスの大きい職務につけることだ。そのためには人を昇進させる前にその職種に必要な才能を吟味する必要がある。
部下に何をすべきかを考えさせる、顧客にとって正しいもの、強み などはドラッカー読者にはおなじみの概念ばかりです。
ドラッカーの「人と仕事のマネジメント」といわれる分野を忠実になぞった本であると言えるでしょう。
この本が典型的ですが、結構売れているビジネス書の多くがドラッカーの影響を受けています。
こうした本を読むとドラッカー理論の再確認になりますので、それはそれで意味があることと思います。
2010年1月31日日曜日
2010年1月30日土曜日
経営者のやるべき仕事の大変さ
小企業であっても経営者は明確で具体的なマネジメント活動を行う必要について書きました。
経営者の役割について考える場合、課題は企業によって違っています。その課題を導き出すための視点は次のように自問自答することであるといいます。
「会社の勝ち残りに必須の課題のうち、経営層にしか対処できないものは何か?」
「事業全体を眺め、現在と将来のニーズを調和させ、的確な最終判断を下せるのはだれか?」
(『マネジメント 務め、責任、実践 Ⅳ』p.29)
ドラッカーは、理想的な経営体制を議論することにはあまり意味がないといいます。
その時々で自社にとって適切な行動をとるのが理想的な経営トップなのです。
必要なのは個々の企業の具体的分析に基づいた、その企業の実情に合った理論でなくてはならないということです。そして何より戦略との調和がとれていなければならないのです。
こうした仕事を適切にこなすためにはかなりの力量が必要です。
天才的な感覚で商機をつかむというような経営スタイルをドラッカーは否定しています。
着実で困難な膨大な作業を根気よくこなしていく能力こそ経営者に求められているということであると思います。
ドラッカー的な経営とは、経営者が頭と感覚を酷使することが大前提になっています。
この苦労に耐えることが経営者に必要とされるわけですね。
経営者の役割について考える場合、課題は企業によって違っています。その課題を導き出すための視点は次のように自問自答することであるといいます。
「会社の勝ち残りに必須の課題のうち、経営層にしか対処できないものは何か?」
「事業全体を眺め、現在と将来のニーズを調和させ、的確な最終判断を下せるのはだれか?」
(『マネジメント 務め、責任、実践 Ⅳ』p.29)
ドラッカーは、理想的な経営体制を議論することにはあまり意味がないといいます。
その時々で自社にとって適切な行動をとるのが理想的な経営トップなのです。
必要なのは個々の企業の具体的分析に基づいた、その企業の実情に合った理論でなくてはならないということです。そして何より戦略との調和がとれていなければならないのです。
こうした仕事を適切にこなすためにはかなりの力量が必要です。
天才的な感覚で商機をつかむというような経営スタイルをドラッカーは否定しています。
着実で困難な膨大な作業を根気よくこなしていく能力こそ経営者に求められているということであると思います。
ドラッカー的な経営とは、経営者が頭と感覚を酷使することが大前提になっています。
この苦労に耐えることが経営者に必要とされるわけですね。
2010年1月29日金曜日
トップマネジメントの役割 -小企業の困難さ
小企業においてもトップマネジメントの仕事は大企業以上に明確に行わねばならないとドラッカーは言います。
会社のミッション・ビジョン・ゴールの設定と実行(いわゆる『戦略計画』の作成・実行)以外のトップマネジメントの主な仕事は以下のとおりであるといいます。
・組織を作り上げ、それを維持する役割‥明日のための人材を育成すること、トップの価値観を示し組織の基準とすること、組織構造を設計すること
・渉外の役割‥顧客、取引先、金融機関、政府機関などとの関係を取り結ぶこと。
・儀礼的役割‥規模の小さい企業ほど逃れることのできない時間のかかる仕事となる。
・重大な危険に際して自ら出動する役割
あらゆる組織においてトップマネジメントの機能が必要です。その具体的な仕事内容は組織によって異なります。それを具体的に決める基準が次のようなものです。
組織の成功と存続に致命的に重要な役割を持ち、かつトップマネジメントだけが行いうる仕事は何かである。 (『エッセンシャル版 マネジメント』p.225)
またトップマネジメントの役割をこなすために、少なくとも4種類の性格が必要となるといいます。
それは「考える人」「行動する人」「人間的な人」「表に立つ人」です。ドラッカーはこの4つをすべて持つ人間はいないと指摘するのです。
したがってトップマネジメントの役割は分担される必要があるというわけです。
零細・小企業の難しさの一つは、トップマネジメントにある人間が4つの性格をすべてそろえることが困難であることでしょう。
本来はせいぜい一つの性格を体現するのが精一杯のところを、その他の性格については弱点にならない程度に補う必要があるということでしょう。
トップマネジメントの役割について、よくリーダーシップという言葉でくくられがちです。
しかし、ドラッカーは「リーダーシップとは仕事である」と表現しています。
つまり、リーダーシップというものが、立派な見かけと話し方を身につけ颯爽と振る舞い、部下を人格的に圧倒して率いていくというものではなく、具体的な行動であるということです。
トップマネジメントは豪華なデスクの前にじっとすわっているのが仕事なのではなく、そのなすべきことを具体的に実行しなければならないということです。
小企業の場合、トップといえども現場の仕事にかかわる場合も多いでしょう。しかし、トップ本来の仕事は別にあるわけです。それを果たすことこそが優先されるべきでしょう。
会社のミッション・ビジョン・ゴールの設定と実行(いわゆる『戦略計画』の作成・実行)以外のトップマネジメントの主な仕事は以下のとおりであるといいます。
・組織を作り上げ、それを維持する役割‥明日のための人材を育成すること、トップの価値観を示し組織の基準とすること、組織構造を設計すること
・渉外の役割‥顧客、取引先、金融機関、政府機関などとの関係を取り結ぶこと。
・儀礼的役割‥規模の小さい企業ほど逃れることのできない時間のかかる仕事となる。
・重大な危険に際して自ら出動する役割
あらゆる組織においてトップマネジメントの機能が必要です。その具体的な仕事内容は組織によって異なります。それを具体的に決める基準が次のようなものです。
組織の成功と存続に致命的に重要な役割を持ち、かつトップマネジメントだけが行いうる仕事は何かである。 (『エッセンシャル版 マネジメント』p.225)
またトップマネジメントの役割をこなすために、少なくとも4種類の性格が必要となるといいます。
それは「考える人」「行動する人」「人間的な人」「表に立つ人」です。ドラッカーはこの4つをすべて持つ人間はいないと指摘するのです。
したがってトップマネジメントの役割は分担される必要があるというわけです。
零細・小企業の難しさの一つは、トップマネジメントにある人間が4つの性格をすべてそろえることが困難であることでしょう。
本来はせいぜい一つの性格を体現するのが精一杯のところを、その他の性格については弱点にならない程度に補う必要があるということでしょう。
トップマネジメントの役割について、よくリーダーシップという言葉でくくられがちです。
しかし、ドラッカーは「リーダーシップとは仕事である」と表現しています。
つまり、リーダーシップというものが、立派な見かけと話し方を身につけ颯爽と振る舞い、部下を人格的に圧倒して率いていくというものではなく、具体的な行動であるということです。
トップマネジメントは豪華なデスクの前にじっとすわっているのが仕事なのではなく、そのなすべきことを具体的に実行しなければならないということです。
小企業の場合、トップといえども現場の仕事にかかわる場合も多いでしょう。しかし、トップ本来の仕事は別にあるわけです。それを果たすことこそが優先されるべきでしょう。
2010年1月28日木曜日
ドラッカー経営の実践者―ユニクロの柳井正社長
先日、中堅ゼネコンのT社社長からユニクロの柳井正社長のインタビュー記事のコピーをいただきました。トピックな内容なので予定を変更してこちらを先にご紹介します。
週刊現代の1月30日号に掲載されていたものです。
ユニクロの柳井社長はドラッカー経営の実践者として有名ですので、言葉の端々が「ドラッカー的」です。
・われわれは「あらゆる人によいカジュアルを」という基本方針に基づいて付加価値を追求し、よい商品を適正な価格で売っている。しかし、他社は「値段の安い商品が売れる」と勘違いしている。
・もともと小売・繊維業は万年不況業種。だからわれわれは過去を否定し続けて新しい産業を作ってきた。
・ほとんどの経営者は「不況、不況」と口で言うが、常日頃から不況に陥ったらどうするかを深く考えてこなかった。
・経営者は心底「儲けたい」と強く思わなくてはならない。儲けないと社員も、株主も、取引先もみんな不幸になる。
・経営者はまず、社員にミッションとかビジョンを明確にし、進むべき方向を示し、将来実現すべき目標を掲げる必要がある。そして全社員がそれを実行するようにリーダーシップを発揮する。それが経営者の一番大きな役割。
・私が社員に「何がしたいか」を聞くことはない。「あなたは何をしなければならないのか」という。使命感を意識することが大切。
・決断とは過去を否定すること、つまり経営者自身が自らを否定することから始まる。現状維持で満足してしまったらもう終わり。
・企業というのは、自分たちで変わって未来を作らない限り生き残れない。
・変わるためには決断して行動すること。経営者が変わらないと部下も変わらない。企業が変わらなければ「死」あるのみ。死ぬこと以上のリスクは他にない。だから経営者は自らを変えなければならない。
柳井氏はドラッカーを読み込んで、それがもはや自分自身の言葉となっていますね。
週刊現代の1月30日号に掲載されていたものです。
ユニクロの柳井社長はドラッカー経営の実践者として有名ですので、言葉の端々が「ドラッカー的」です。
・われわれは「あらゆる人によいカジュアルを」という基本方針に基づいて付加価値を追求し、よい商品を適正な価格で売っている。しかし、他社は「値段の安い商品が売れる」と勘違いしている。
・もともと小売・繊維業は万年不況業種。だからわれわれは過去を否定し続けて新しい産業を作ってきた。
・ほとんどの経営者は「不況、不況」と口で言うが、常日頃から不況に陥ったらどうするかを深く考えてこなかった。
・経営者は心底「儲けたい」と強く思わなくてはならない。儲けないと社員も、株主も、取引先もみんな不幸になる。
・経営者はまず、社員にミッションとかビジョンを明確にし、進むべき方向を示し、将来実現すべき目標を掲げる必要がある。そして全社員がそれを実行するようにリーダーシップを発揮する。それが経営者の一番大きな役割。
・私が社員に「何がしたいか」を聞くことはない。「あなたは何をしなければならないのか」という。使命感を意識することが大切。
・決断とは過去を否定すること、つまり経営者自身が自らを否定することから始まる。現状維持で満足してしまったらもう終わり。
・企業というのは、自分たちで変わって未来を作らない限り生き残れない。
・変わるためには決断して行動すること。経営者が変わらないと部下も変わらない。企業が変わらなければ「死」あるのみ。死ぬこと以上のリスクは他にない。だから経営者は自らを変えなければならない。
柳井氏はドラッカーを読み込んで、それがもはや自分自身の言葉となっていますね。
2010年1月27日水曜日
小企業の戦略
戦略計画の話になったところで小企業の戦略について考えてみます。
小企業とは10人超(サービス・飲食は5名超)で中心的社員数12~15名程度までの会社です。
当社では10人以下(サ・飲は5名以下)を零細企業(=限界的規模)と定義しました。中心的社員数の部分がドラッカーの定義です。
中心的社員数が少ない小売業等では社員数100名の小企業もあるかもしれません。
ですが、イメージ的には大きくても40~50名程度までの企業といった感じになるでしょうか。
一般的にいえば30人以下の会社のことでしょう。
ドラッカーは小企業について大企業の補完的存在であり、大企業以上に組織的かつ体系的なマネジメントが必要になるといいます。
本社スタッフこそいらないものの、高度なマネジメントが必要であるというのです。
小企業こそ戦略が必要であり、そうでなければすぐに限界的な存在となってしまうといいます。
ところがほとんどの小企業が戦略を持っていません。機会中心ではなく問題中心になってしまい、問題に追いたてられながら毎日を送っていしまいます。
ドラッカーは、それだからこそ小企業の多くは成功できないのだといいます。
一般的に中小企業という場合、ほとんどはこの小企業の定義に該当します。ですからこそ、このポジションにいる企業がどうすべきかを考える必要があるのです。
ドラッカーは小企業がやるべきことを2つ指摘します。
①「われわれの事業は何か、何であるべきか」を問い、答えること。
②トップマネジメントの役割を組織化すること。
①は最近ずっと検討しているミッションステートメントに書くべきことであることが分かると思います。
ドラッカーはこれこそが成功のために絶対避けて通れない仕事であると考えているのです。
このブログでは試行錯誤を通じて、適切なミッションステートメントの作成とそこから戦略計画を立案、実行するためのフレームワークづくりを目指すことを主要な使命の一つとしています。
また②のトップマネジメントの役割とは何か、明日検討します。
小企業とは10人超(サービス・飲食は5名超)で中心的社員数12~15名程度までの会社です。
当社では10人以下(サ・飲は5名以下)を零細企業(=限界的規模)と定義しました。中心的社員数の部分がドラッカーの定義です。
中心的社員数が少ない小売業等では社員数100名の小企業もあるかもしれません。
ですが、イメージ的には大きくても40~50名程度までの企業といった感じになるでしょうか。
一般的にいえば30人以下の会社のことでしょう。
ドラッカーは小企業について大企業の補完的存在であり、大企業以上に組織的かつ体系的なマネジメントが必要になるといいます。
本社スタッフこそいらないものの、高度なマネジメントが必要であるというのです。
小企業こそ戦略が必要であり、そうでなければすぐに限界的な存在となってしまうといいます。
ところがほとんどの小企業が戦略を持っていません。機会中心ではなく問題中心になってしまい、問題に追いたてられながら毎日を送っていしまいます。
ドラッカーは、それだからこそ小企業の多くは成功できないのだといいます。
一般的に中小企業という場合、ほとんどはこの小企業の定義に該当します。ですからこそ、このポジションにいる企業がどうすべきかを考える必要があるのです。
ドラッカーは小企業がやるべきことを2つ指摘します。
①「われわれの事業は何か、何であるべきか」を問い、答えること。
②トップマネジメントの役割を組織化すること。
①は最近ずっと検討しているミッションステートメントに書くべきことであることが分かると思います。
ドラッカーはこれこそが成功のために絶対避けて通れない仕事であると考えているのです。
このブログでは試行錯誤を通じて、適切なミッションステートメントの作成とそこから戦略計画を立案、実行するためのフレームワークづくりを目指すことを主要な使命の一つとしています。
また②のトップマネジメントの役割とは何か、明日検討します。
2010年1月26日火曜日
「戦略計画」を実行するとは?
昨日、GMの失敗をミッションステートメントとの関係で少し触れました。
ドラッカーは次のように述べます。
未来は、望むだけでは起こらない。そのためには、いま決定をしなければならない。いま行動し、リスクを冒さなければならない。
(『エッセンシャル マネジメント』p.37)
そのために戦略計画が必要であるといいます。
戦略計画が何であるかについてドラッカーは多面的に検討しています。
・戦略計画は魔法の箱や杖ではない。思考であり、資源を行動に結びつけるものである。それは手法ではなく責任である。
・戦略計画は予測ではない。未来は予見できない。予測は可能性とその範囲を見出すものだが、企業は予測の基礎となる可能性そのものを変えなければならない。
・戦略計画は未来の意思決定ではない。意思決定は現在においてしかなしえない。最大の問題は明日何をすべきかではなく「不確実な明日のために今日何をなすべきか」である。
・戦略計画はリスクをなくすためのものではない。より大きなリスクを負担できるようにすることである。
こうした検討の結果、ドラッカーは戦略計画を次のように定義します。
①リスクを伴う起業家的な意思決定を行い
②その実行に必要な活動を体系的に組織し
③それらの活動の成果を期待したものと比較測定するという連続したプロセスである。
ここで、「最善の戦略計画でさえ、仕事として具体化しなければ、よき意図にすぎない。」という話につながってくるのです。
計画するだけではなく、実行し、その結果をチェックするというところまでを含めて「戦略計画」というわけです。
GMの失敗は戦略計画を仕事として具体化しなかったということであると言えるでしょう。
ドラッカー経営は大きく分けると、組織のマネジメントとヒト・仕事のマネジメントという2つの側面があります。
このブログではずっと組織のマネジメントを扱っています。そしてその最大の目的は「戦略計画を実行する」ということの意味を明らかにすることにあります。
ドラッカーの理論は哲学的な面も多分にありますし、理論体系としても大きなものですので、部分的な検討を積み重ね、それをまた再検討しというプロセスを繰り返す必要があると思います。
ドラッカーは次のように述べます。
未来は、望むだけでは起こらない。そのためには、いま決定をしなければならない。いま行動し、リスクを冒さなければならない。
(『エッセンシャル マネジメント』p.37)
そのために戦略計画が必要であるといいます。
戦略計画が何であるかについてドラッカーは多面的に検討しています。
・戦略計画は魔法の箱や杖ではない。思考であり、資源を行動に結びつけるものである。それは手法ではなく責任である。
・戦略計画は予測ではない。未来は予見できない。予測は可能性とその範囲を見出すものだが、企業は予測の基礎となる可能性そのものを変えなければならない。
・戦略計画は未来の意思決定ではない。意思決定は現在においてしかなしえない。最大の問題は明日何をすべきかではなく「不確実な明日のために今日何をなすべきか」である。
・戦略計画はリスクをなくすためのものではない。より大きなリスクを負担できるようにすることである。
こうした検討の結果、ドラッカーは戦略計画を次のように定義します。
①リスクを伴う起業家的な意思決定を行い
②その実行に必要な活動を体系的に組織し
③それらの活動の成果を期待したものと比較測定するという連続したプロセスである。
ここで、「最善の戦略計画でさえ、仕事として具体化しなければ、よき意図にすぎない。」という話につながってくるのです。
計画するだけではなく、実行し、その結果をチェックするというところまでを含めて「戦略計画」というわけです。
GMの失敗は戦略計画を仕事として具体化しなかったということであると言えるでしょう。
ドラッカー経営は大きく分けると、組織のマネジメントとヒト・仕事のマネジメントという2つの側面があります。
このブログではずっと組織のマネジメントを扱っています。そしてその最大の目的は「戦略計画を実行する」ということの意味を明らかにすることにあります。
ドラッカーの理論は哲学的な面も多分にありますし、理論体系としても大きなものですので、部分的な検討を積み重ね、それをまた再検討しというプロセスを繰り返す必要があると思います。
2010年1月25日月曜日
ミッションステートメントの事例-GM
ゼネラルモーターズのミッションステートメントです。
世界一の企業でありながらマネジメントに失敗し破たんしてしまいました。
≪GMのビジョン≫
GMのビジョンは輸送機器とその関連サービスに関して世界のリーダーになることです。われわれは、GM社員の誠実さ、チームワーク、イノベーションによる継続的改善を通じて顧客の熱い支持を獲得します。
≪中核価値≫
中核価値とはわが社がよって立つもの、組織のすべての人が分かち合うものです。
顧客の熱い支持:われわれは熱狂的な顧客を生み出すような製品とサービスにわれわれ自身をささげます。顧客にとってよいことを行うことをためらう者はおりません。
誠実さ:われわれはわれわれの行うすべてについて正直であり信頼されるようにします。われわれは信じることを発言し、言ったことを実行します。
チームワーク:グローバルなリーダーシップに焦点を当てたGMのチームとして共に考え行動することで勝利を得ます。われわれの強みは高度なスキルを持つ人々とその多様性です。
イノベーション:われわれはライバルたちよりも早く、習慣的な考え方にチャレンジし、新しい技術を発展させ、その出所を気にしないで新しいアイディアを適用します。
継続的改善:われわれは野心的な目標を設定し、それに背伸びして合わせようとし、その上何度も何度もバーを引き上げます。われわれは良好な学習環境の下でそれがより良く、より早く、より効果的に行うことができると信じます。
個人の尊重と責任:われわれは相互を尊重し、責任を持って行動します。そうすることでわれわれは共通のゴールに向けて共に働くことができます。
≪会社説明≫
ゼネラルモータース社は世界最大の自動車メーカーであり、1931年以来世界で最も多くの売り上げを記録し続けてきました。1908年に設立され、今日では世界で約325,000人を雇用しています。世界32カ国で生産される車両は世界200カ国で売られています。
見事なミッションステートメントであると思います。
内容が明瞭で一貫性があります。
ご紹介した他社のものに比べても出来栄えがいいと思います。
問題はこれだけの素晴らしいミッションステートメントが実行されず、破たんに至ってしまったということです。
ドラッカーは、どれだけ素晴らしいプランであっても実行されなければ単なる良き意図であるにすぎないと言っています。
GMの最大の問題点は実行力にあったと言えるでしょう。
世界一の企業でありながらマネジメントに失敗し破たんしてしまいました。
≪GMのビジョン≫
GMのビジョンは輸送機器とその関連サービスに関して世界のリーダーになることです。われわれは、GM社員の誠実さ、チームワーク、イノベーションによる継続的改善を通じて顧客の熱い支持を獲得します。
≪中核価値≫
中核価値とはわが社がよって立つもの、組織のすべての人が分かち合うものです。
顧客の熱い支持:われわれは熱狂的な顧客を生み出すような製品とサービスにわれわれ自身をささげます。顧客にとってよいことを行うことをためらう者はおりません。
誠実さ:われわれはわれわれの行うすべてについて正直であり信頼されるようにします。われわれは信じることを発言し、言ったことを実行します。
チームワーク:グローバルなリーダーシップに焦点を当てたGMのチームとして共に考え行動することで勝利を得ます。われわれの強みは高度なスキルを持つ人々とその多様性です。
イノベーション:われわれはライバルたちよりも早く、習慣的な考え方にチャレンジし、新しい技術を発展させ、その出所を気にしないで新しいアイディアを適用します。
継続的改善:われわれは野心的な目標を設定し、それに背伸びして合わせようとし、その上何度も何度もバーを引き上げます。われわれは良好な学習環境の下でそれがより良く、より早く、より効果的に行うことができると信じます。
個人の尊重と責任:われわれは相互を尊重し、責任を持って行動します。そうすることでわれわれは共通のゴールに向けて共に働くことができます。
≪会社説明≫
ゼネラルモータース社は世界最大の自動車メーカーであり、1931年以来世界で最も多くの売り上げを記録し続けてきました。1908年に設立され、今日では世界で約325,000人を雇用しています。世界32カ国で生産される車両は世界200カ国で売られています。
見事なミッションステートメントであると思います。
内容が明瞭で一貫性があります。
ご紹介した他社のものに比べても出来栄えがいいと思います。
問題はこれだけの素晴らしいミッションステートメントが実行されず、破たんに至ってしまったということです。
ドラッカーは、どれだけ素晴らしいプランであっても実行されなければ単なる良き意図であるにすぎないと言っています。
GMの最大の問題点は実行力にあったと言えるでしょう。
2010年1月24日日曜日
ミッションステートメントの事例-コカコーラ社
コカコーラ社のミッションステートメントです。
≪コカコーラ社の約束≫
コカコーラ社は、それに触れるすべての人に恵みをもたらし、リフレッシュさせるために存在しています。
われわれのビジネスの基本的な提案はシンプルであり、手堅く、時代を超えたものです。
われわれはわれわれのステークホルダーたちにリフレッシュ、価値、喜び、楽しみをもたらすことで、われわれのブランド、とりわけコカ・コーラを上手に成長させ、守っていくことになります。
われわれのビジネスの所有者たちに魅力的な配当を継続的に提供することは、われわれの究極の義務を果たすためのカギとなるでしょう。
≪企業の説明≫
コカコーラ社はノンアルコール濃縮飲料とシロップについて世界最大の製造業者、卸売業者、マーケッターです。
このように、コカコーラ社のミッションステートメントは説明調になっています。
これはコカコーラ社の企業の方向性が非常に明確であるため、細かいパーツに区分けして説明する必要が少ないことが理由のように思えます。
また、コカコーラはすでにブランドが確立されていますから、そのブランドイメージを損なわないように慎重に行動していくということが主眼であるということだと思います。
コカコーラという世界最強のナンバーワン商品を持ち、企業のブランド価値だけでも10兆円以上と評価されている企業であるからこそ、そのブランドが維持しようとするイメージを語りかけるように説明することができるのではないかと思いました。
≪コカコーラ社の約束≫
コカコーラ社は、それに触れるすべての人に恵みをもたらし、リフレッシュさせるために存在しています。
われわれのビジネスの基本的な提案はシンプルであり、手堅く、時代を超えたものです。
われわれはわれわれのステークホルダーたちにリフレッシュ、価値、喜び、楽しみをもたらすことで、われわれのブランド、とりわけコカ・コーラを上手に成長させ、守っていくことになります。
われわれのビジネスの所有者たちに魅力的な配当を継続的に提供することは、われわれの究極の義務を果たすためのカギとなるでしょう。
≪企業の説明≫
コカコーラ社はノンアルコール濃縮飲料とシロップについて世界最大の製造業者、卸売業者、マーケッターです。
このように、コカコーラ社のミッションステートメントは説明調になっています。
これはコカコーラ社の企業の方向性が非常に明確であるため、細かいパーツに区分けして説明する必要が少ないことが理由のように思えます。
また、コカコーラはすでにブランドが確立されていますから、そのブランドイメージを損なわないように慎重に行動していくということが主眼であるということだと思います。
コカコーラという世界最強のナンバーワン商品を持ち、企業のブランド価値だけでも10兆円以上と評価されている企業であるからこそ、そのブランドが維持しようとするイメージを語りかけるように説明することができるのではないかと思いました。
2010年1月23日土曜日
ミッションステートメントの事例-アンハイザー・ブッシュ社
アンハイザー・ブッシュ社は、バドワイザーで有名な世界第三位のビールメーカーです。
≪ビジョン≫
われわれの製品、サービス、結びつきを通じて、われわれは生活に楽しさを加えてゆきます。
≪ミッション≫
・世界的なビール会社であること
・世界中の観客を豊かにし、楽しませること
・ステークホルダー(株主、社員、取引先などの利害関係者のこと)により多くの利益を届けること
≪バリュー≫
・われわれの行うことすべてにおける品質
・顧客の期待を超える
・われわれのすべての関係、結びつきにおける信頼、尊敬、誠実さ
・継続的改善、イノベーション、変化
・チームワークとオープンで正直なコミュニケーション
・会社の成功に貢献することへの各社員の責任
・安全で生産的で価値ある職場環境
・高いパフォーマンスを生み出す多様なチームを作ること
・われわれの商品の信頼できる消費を促進すること
・環境を育成・保護し、われわれがビジネスを行うコミュニティを支援すること
≪会社の説明≫
ミズーリ州セントルイスに本拠を置くアンハイザー・ブッシュ社は、米国のビール市場の50%を占めるリーディング酒造メーカーです。‥‥‥
バリューの内容の具体性が高いミッションステートメントですね。
これならば社員が何をするべきなのかがかなりわかりやすいと思います。
「会社の成功への各社員の貢献の責任‥」の部分は極めてドラッカー的であると思います。
ミッションステートメントというものは、実際にそれに基づいて行動しなければ全く意味がありません。
組織は同じ価値観を持って仕事をしていかなければ大きな価値を生むことはできないことは直感的にわかると思います。
たとえば、「成果」という言葉一つとってみても会社の考え方は違うわけです。
目指すべきものを明確にすることは会社発展の大前提であると思います。
≪ビジョン≫
われわれの製品、サービス、結びつきを通じて、われわれは生活に楽しさを加えてゆきます。
≪ミッション≫
・世界的なビール会社であること
・世界中の観客を豊かにし、楽しませること
・ステークホルダー(株主、社員、取引先などの利害関係者のこと)により多くの利益を届けること
≪バリュー≫
・われわれの行うことすべてにおける品質
・顧客の期待を超える
・われわれのすべての関係、結びつきにおける信頼、尊敬、誠実さ
・継続的改善、イノベーション、変化
・チームワークとオープンで正直なコミュニケーション
・会社の成功に貢献することへの各社員の責任
・安全で生産的で価値ある職場環境
・高いパフォーマンスを生み出す多様なチームを作ること
・われわれの商品の信頼できる消費を促進すること
・環境を育成・保護し、われわれがビジネスを行うコミュニティを支援すること
≪会社の説明≫
ミズーリ州セントルイスに本拠を置くアンハイザー・ブッシュ社は、米国のビール市場の50%を占めるリーディング酒造メーカーです。‥‥‥
バリューの内容の具体性が高いミッションステートメントですね。
これならば社員が何をするべきなのかがかなりわかりやすいと思います。
「会社の成功への各社員の貢献の責任‥」の部分は極めてドラッカー的であると思います。
ミッションステートメントというものは、実際にそれに基づいて行動しなければ全く意味がありません。
組織は同じ価値観を持って仕事をしていかなければ大きな価値を生むことはできないことは直感的にわかると思います。
たとえば、「成果」という言葉一つとってみても会社の考え方は違うわけです。
目指すべきものを明確にすることは会社発展の大前提であると思います。
2010年1月22日金曜日
ミッションステートメントの事例-アムジェン inc
トップ企業101社のミッションステートメントを集めた洋書を購入しました。
これから私が気になったものをご紹介していきます。
アムジェン社は社員数2万人の世界的なバイオ医療品メーカーです。
同社のミッションステートメントは以下の通りです。
≪ミッション≫
患者様のお役に立つこと
≪われわれの抱負≫
われわれは最高の人間治療学カンパニーであることを切望します。われわれはアムジェン社の価値を体現し、人々の生活を劇的に改善するために科学とイノベーションを使います。
≪バリュー≫
・科学的であること
・厳しく競争し打ち勝つこと
・患者、社員、株主のために価値を創造すること
・倫理的であること
・お互いを信頼し尊重すること
・品質を確保すること
・チームで働くこと
・協同し、コミュニケーションをとり、説明責任を果たすこと
≪企業の説明≫
アムジェンはバイオテクノロジー産業における治療学のリーディングカンパニーです。
私が簡単に訳したものですから、日本語としてごつごつしていていますが、ミッションステートメントというもののあるべき形式が少しは伝わったのではないかと思います。
私はミッションステートメントというものは社名を伏せてあっても、その会社がいきいきとイメージできるようなものでなければならないと思っています。
ミッションステートメントの書き方には会社ごとに違いがあります。それは、会社の歴史や考え方・思想といったものが反映されています。
ミッションステートメントの実例をたくさん読むと自社のあるべきミッションについて触発されることも多いと思いますので、しばらく事例の紹介を続けていきます。
これから私が気になったものをご紹介していきます。
アムジェン社は社員数2万人の世界的なバイオ医療品メーカーです。
同社のミッションステートメントは以下の通りです。
≪ミッション≫
患者様のお役に立つこと
≪われわれの抱負≫
われわれは最高の人間治療学カンパニーであることを切望します。われわれはアムジェン社の価値を体現し、人々の生活を劇的に改善するために科学とイノベーションを使います。
≪バリュー≫
・科学的であること
・厳しく競争し打ち勝つこと
・患者、社員、株主のために価値を創造すること
・倫理的であること
・お互いを信頼し尊重すること
・品質を確保すること
・チームで働くこと
・協同し、コミュニケーションをとり、説明責任を果たすこと
≪企業の説明≫
アムジェンはバイオテクノロジー産業における治療学のリーディングカンパニーです。
私が簡単に訳したものですから、日本語としてごつごつしていていますが、ミッションステートメントというもののあるべき形式が少しは伝わったのではないかと思います。
私はミッションステートメントというものは社名を伏せてあっても、その会社がいきいきとイメージできるようなものでなければならないと思っています。
ミッションステートメントの書き方には会社ごとに違いがあります。それは、会社の歴史や考え方・思想といったものが反映されています。
ミッションステートメントの実例をたくさん読むと自社のあるべきミッションについて触発されることも多いと思いますので、しばらく事例の紹介を続けていきます。
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