2010年12月18日土曜日

『創造する経営者』⑦

続きです。事業分析とイノベーションです。


・成果をもたらす3領域(市場・顧客、流通チャネル、商品・サービス)に欠けるもの。

①全盛期を過ぎたものに代わるべきものを開発する努力。

②機会と成功の追求

③知識 :本当に重要な新知識は?中核的知識の何を向上・進歩させるべきか?知識の再定義の必要は? ★最も重要な問い


・事業を分析すると常に事態は想像以上に悪いことが明らかとなる。

・単純な中小企業でもその日暮らしではマネジメントは不可能。目的意識に基づく体系的な計画が必要。希少な人材を最大の機会と成果に集中し、少数の適切なことを卓越性を持って行う。


・基本は強みを生かし、問題ではなく機会を求め、リスクではなく実現すべき成果に重点を置く。

・「現在」という期間の長さの決定がどんな活動を行うかを決める。

・成功すればコストをはるかに超える成果がもたらされる領域が推進すべき優先的領域。


・イノベーションとは既存のものから新しい種類の経済を生み出す未知のものを作り出すこと。

・イノベーションとは、既存の知識、製品、顧客ニーズ、市場等にすでに存在するものを、はるかに生産的な新しい一つの全体にまとめるために小さな欠落した部品を発見し、その提供に成功すること。

・イノベーションとは企業の潜在的機会を発見し、未来を築くためのもの。

・第一級の人材は最大の機会に割り当てる。二義的機会はあくまで現在の人材だけでまかなう。

・大きな機会には集中した注意力と献身が必要。


・運では事業は作れない。

・危険や弱みが事業機会の存在を教える。それらを問題から機会へと転化するとき、異常なほどの成果が得られる。ときにそうした転化は経営者の姿勢だけでもたらされる。

・企業・産業の弱みや制約は通常すでに周知であるか容易に知ることができる。

・弱み・制約を克服するイノベーションンはその企業や産業の内部の人間には不可能に見える。

・弱み・制約が克服されると経済的効果は極めて大きい。制約こそ大きな機会。


・事業において完全なバランスは組織図にしかない。生きた事業は常にアンバランスな状態である。

・市場規模や構造に変化が生じたとき、企業規模と市場との間にアンバランスが生じる。ここにも隠された機会が存在する。

・適切な企業規模は産業によって違う。技術の成熟度、市場の構造によって違う。間違った規模の企業は大きな罰を受ける。

・中途半端な規模の企業にとっての問題解決は小規模に縮小すること。


・最も深刻なケースは最小限の規模以下の企業。いかに製品が優れていても限界的存在にすぎない。

・リスクと不確実性はなくせない。明日何をするかを決めるのではなく、明日を創るために今日何をなすべきかを決めること。


未来を築く2つの方法

①すでに起きた未来を探す。それは、人口構造、知識、他の産業・国・市場、産業構造、企業内部。

②ビジョンを実現する。すなわち自ら未来を発生させる。

・予測されているものは本当はすでに起こったものではないかと考えるべき。

・将来、どんな製品・プロセスが必要となるか予測しても意味がない。しかし、製品・プロセスについてビジョンを描き、今日と違う事業を築くことは可能。