2010年12月17日金曜日

『創造する経営者』⑥

続きです。知識と卓越性に関する部分です。


・知識が事業である。製品・サービスは企業の知識と顧客の購買力の交換媒体にすぎない。

・本の中にあるのは情報。知識とは情報を仕事や成果に結びつける能力のこと。

・知識は外部、すなわち顧客・市場・最終用途に貢献して初めて有効となる。


・卓越性だけが利益をもたらす。他のものと同じ能力を持つだけでは十分ではない。

・経済的な業績は差別化の結果。差別化の源泉は企業内の人が保有する独自の知識。

・成功している企業には常に少なくとも一つは際立った知識がある。また全く同じ知識を持つ企業は存在しない。


・卓越性を発揮できることが極めて平凡なこともある。同じような仕事をする企業が多くてもある企業だけが優れた仕事をする場合もある。その企業は平凡な仕事を非凡にこなしている。

・知識分析の最善の方法は自社が成功してきたものと失敗してきたものを調べることである。


・知識の現実

①事業特有の知識の意味ある定義は極めて簡単、あきれるほど簡単である。

②知識の分析には訓練がいる。自社特有の知識を問うことは、自らを客観的・徹底的・前向きに見つめること。

③知識は滅しやすい。常に再確認、再学習、再訓練が必要。自社特有の卓越性は常に強化が必要。

④あらゆる知識はやがて間違った知識になる。あるいは陳腐化する。

⑤どんな企業も多くの知識において同時に卓越することはできない。一つの領域において有能であることも難しい。これはほとんどの企業が生き残るのにやっとで、かろうじて脱落を免れているにすぎないことを意味する。


・多くの領域において卓越することはできない。しかし、成功するには極めて多くの領域において並み以上、いくつかの領域で有能、一つの領域において卓越しなければならない。


・知識分析における問い

①わが社は適切な知識を持っているか?それは成果の上がる領域に集中しているか?

②わが社は貢献している知識に対する報酬を十分得ているか?

③わが社の知識は、わが社の製品・サービスに十分組み込まれているか?

④いかにして知識の利用法を改善できるか?欠けているものは何か?いかに入手するか?