2010年8月16日月曜日

書評 「仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか」

小松易『仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか』マガジンハウス、2010年  定価 1,300円+税



私は最近、オフィスや工場の環境整備について研修することが多くなりましたので、同様のテーマを扱う本は関心があります。
本書はその中でも良書です。

小松氏はオフィスの環境整備と仕事の能力との間に相関関係があると考えています。私も同感です。


・オフィスの雑然とした状況は取引先・お客さまなど外部の人から見られている。
・ホコリに気がつかない社員は仕事において問題意識・改善意識が低い。

といいます。全くその通りです。そこで小松氏は

・会社の汚れは社員の意識の低さの表れである


といいます。
人はうまく環境に適応してしまうので、低い環境整備レベルにも適応してしまいます。そしてそのレベルは仕事のレベルに反映するのです。

ドラッカーはさらに厳しく、環境整備のレベルは経営者の品質意識を反映するとまでいっています、同じ意味といえます。


さらに小松氏は、会社を訪問するチェックポイントとして玄関マットの乱れを上げます。すぐ乱れやすいところが整えられているかを見るわけです。

当社では2S直角平行というコンセプトを打ち出していますが、基本的視点は小松氏と同じであると思います。



そこで当社としても参考になる小松氏の意見を抜き書きます。

・片づけができる社長は仕事が早い。仕事の基本は「すぐやる」こと。
・デスクの状態がパフォーマンスに連動している。
・片づけで「気づく」力がつく

「 会社の環境整備の活動で、止まっている書類や道具の整理整頓すらできない人が、日々刻々変化する経営状況やお客様を相手にすることがどうしてできようか。」



この他、細かいテクニックが紹介されていますが、環境整備は仕事の成果と相関関係があるとだけ押さえておけば、後はどのようなテクニックを利用してもよいでしょう。