2010年4月23日金曜日

ホウ・レン・ソウの考え方

ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)はビジネスパーソンの基本行動といわれています。

新入社員のころに習うものですが、延々と課題であり続けるのもこのホウレンソウの特徴でしょう。

リスクマネジメントの観点からは次のように考えられると思います。

以前、ヒヤリ・ハットをしっかり認識させ、その対策をとり続けることがリスクマネジメントの基本であると書きました。

そこから「ヒヤリ・ハット報告や改善提案の少ない人はいつか大事故を起こすだろう」という原則が引き出されました。

ホウレンソウもそこに結びつけるとより活性化するのではないかと思います。

ホウレンソウについてヒヤリ・ハットやちょっとした気づき等をださせるには「問題ありません。特別なことはなにもありません。」という報告に対して責任を持たせるとよいと思います。

「問題ありません」という報告があったにもかかわらず、事故やトラブルが発生した場合、ヒヤリ・ハットを見逃した可能性が高いと想像できます。

ですから「問題ありません」という報告に対して「将来的に問題が起きないことを自分の責任において保証する」という意味を持たせるとよいわけです。何かあれば自分の責任であるということですね。

このように責任の所在を明確にしておけばホウレンソウというものの重要性が改めて実感されると思います。


私は今まで仕事をしてきて、完ぺきな仕事ができたことは一度もありません。
また、仕事に関してすべての要素を把握しているわけでもありませんし、それらが今後どのように変化していくかも不確実です。

ですから「問題ありません」という人は必ず何らかのリスクを見逃していると考えてよいと思います。

1つの仕事、面談、会合においてはかならず成果かヒヤリ・ハット(リスク)か改善提案を最低一つは見つけることを習慣化するのがいいのではないかと考え、当社の日報記入法の原則としています。


たとえばお客様と1時間面談して報告内容が「特になし」という場合、その1時間は浪費であったと自己申告したということです。
またいつもやっている仕事について特に改善をしなかった場合には、その仕事の付加価値は以前より低いと考えるという基準もあります。



ドラッカー経営では、ビジネスパーソンは自己管理が基本となってきます。

しかし、それは自分の成果を自分で説明できない限りきちんと仕事をしたといえないという厳しい考え方を伴います。

ドラッカーは、ビジネスパーソンに対して厳しい成果達成を要求します。それは単純に売上を上げるというだけではなく、リスクを減らす、生産性を上げる、など色々な側面があるわけです。

そのどれでもいいから自分で説明のできる仕事ぶりが求められるのです。