2011年10月2日日曜日

書評-仕事ができる社員できない社員

吉越浩一郎著 『仕事ができる社員、できない社員』 三笠書房、2011年   


原稿の締め切り等等に追われて、更新できない日が続きました。

当月から復活させます。


まず、手頃なビジネス・スキル向上本です。

だいたい、この手の本はドラッカーの「経営者の条件」の焼き直しが多く、後は事例の面白さでわかりやすさが加わるというタイプが多いです。


吉越氏は元・トリンプインターナショナルの社長で、退任後は人気ビジネス本作家に転身しています。

もともと面白いマネジメントをやられていた方ですが、私は吉越氏の最大のネタ本は「経営者の条件」と推測しています。

その意味ではドラッカー度80%コンサルタントの小宮一慶氏と近い主張です。


目次を見るとニュアンスが伝わりますね。

成果をあげるビジネスパーソンの特徴がそのまま目次になっていますので列挙します。

・勝ち負けにこだわる
・結果がすべてと考える
・あえて逆境に身を置く
・運、不運に捉われない

・損な役回りを買って出る
・いつか独立したいと考えている
・バカになれる

・楽観的
・無駄な体力を使わない
・始動が早い
・本をよく読む

・「なぜ、なぜ、なぜ」と考える
・整理がうまい

・走りながら考える
・初志を貫徹する
・決着をつけるのが早い
・一歩先を見て動く

・アイディアを形にできる
・感情をコントロールできる
・敵を敵のままにしておかない

・常に先手必勝
・締め切りを必ず守る
・仕事は教わるものではないと知っている

・集中するコツをつかんでいる
・難問も小さく分けて解く
・指示されたこと以上ができる

・周りの協力を得られる
・情報収集に熱心
・人脈がある

・人を上手に使える
・ヒトをおだてるのがうまい
・異性の社員に好かれる

・自分にも他人にも厳しい
・社風に染まる人
・一度決めたことは最後までやる
・自分の頭で考えられる

・何でも自分でやろうとする


などなどです。これでも全部ではありません。

半分以上の内容はほぼドラッカーと同じ意見ですね。

本書はチェックリスト的な理解でよいでしょう。


(浅沼宏和)