2010年11月1日月曜日

何もないことは大問題

私の口癖の一つに 『何もないことが大問題』 というものがあります。


これはもともと労災の統計的法則であるハインリッヒの法則から思いついたものです。


ハインリッヒの法則は、ヒヤリ・ハットの法則などとも呼ばれたりします。


死亡事故1件が発生する背後に傷害事故が29件発生している。さらにその背後には300件のヒヤリ・ハット(インシデント)が発生しているという法則です。

そこでヒヤリ・ハットをつぶし続けていけば、大事故の発生は起きないという仮定を置き、細部にこだわる日常的管理を行っていくという考え方です。


ビジネスにおいては、大きな失敗やトラブルを定期的に起こす人は「何も問題ありません」という発言を多くする傾向があります。

この「何も問題ありません」という言葉は、「ヒヤリ・ハットが見えません」と言う意味です。本当に問題がないわけではありません。



日本の製造業に品質の大切さを教え込んだ、エドワード・デミングが次のような言葉を残しています。


『そもそも大きな問題というのは、問題を抱えていることを自覚していない人たちのところにあるものだ。』



ハインリッヒの法則の話に戻しますと

小さなヒヤリ・ハットが300件積み重なると確率的に大事故が発生するわけです。


「何も問題ありません」という言葉の背後にある小さな違和感やズレの見落としが300件積み重なったときに大きなトラブルが起きるわけです


細かい違和感を見落とすことは許してはならないのです。

また、そこから私はハインリッヒの法則の逆パターンを思いつきました。

それについて次回解説したいと思います。