先週、マイケル・ポーターの入門書の原稿ができあがりました。
こうした大物をまとめようとするとわが身の力量の乏しさを実感します。
ポーターを半年以上読み込んでいて気が付くのは、ドラッカーに似ている部分が多いということです。
最近、特に気に留めているのはイノベーションにかかる年数がどちらも10年以上ととらえていることです。
原則: イノベーションには10年かかる
ドラッカーは現在のビジネスで成果を上げることを「マーケティング」 将来に成果を上げる取り組みを「イノベーション」と考えているようです。
そして、このイノベーションのためには10年単位の時間が必要といっています。
マイケル・ポーターは、競争優位は戦略的ポジションを確立することによって得られる。
そして、その戦略的ポジションはさまざまな活動が組み合わさったシステム(活動システム)によって生み出されると主張しています。
強力な活動システムの構築には試行錯誤が必要であり、したがってイノベーションには長期間が必要であるといっています。
その期間が10年です。
私はポーターはかなりドラッカーを意識しているような気がしています。
いずれにしても10年計画で行うものがイノベーションであり、その間、さまざまな打ち手は実行しなければなりませんが、大筋の方向性でぶれてはいけないということです。
変化への対応と称して右往左往することはどちらも厳に戒めています。
(浅沼 宏和)