2011年4月22日金曜日

組織の多様性

オーケストラの指揮者は、オーボエ奏者がいかに優れた音楽家であろうとも、第一チェロの欠員の補充として採用したりしない。

あるいは、指揮者は1人の音楽家を受け入れるために楽譜を書き直したりしない。

                          『経営者の条件』より



人ではなくて仕事からスタートするというのがドラッカーの考えです。

それぞれの人はその分野においてプロであることが前提です。

自分の役割責任範囲内において上司より専門性がなければビジネスパーソンとして失格です。

各楽器パートの人が指揮者より演奏がうまいのは当たり前ですが、ビジネスシーンでは意外とこれが忘れられてしまっています。

ビジネスパーソンとしての自立したうえで、組織共通の目標(楽譜)に向かって取り組むわけです。




‥仕事を客観的かつ非属人的に構築しなければならないということには、もうひとついわく言い難い理由がある。

すなわちそれこそが組織が多様な人間を確保する唯一の道だからである。

人の気質や個性の違いを認め、かつ助長する唯一の方法だからである。

組織における多様性を確保するには人間関係を人ではなく仕事を中心に構築しなければならない。

                          『経営者の条件』より


こうした組織論を前提にして、自分自身の目標を自分で立てて管理させるというのがドラッカー流の目標管理です。


(浅沼 宏和)