2010年7月11日日曜日

手薄なところを狙うイノベーション

手薄なところを狙うイノベーションには二つの戦略があります。


①創造的模倣戦略

これは著名なマーケティング研究者のセオドア・レビットの造語です。
先発商品を真似しながら、そこにさらなる価値を加えてより良い商品を市場に投入するという戦略です。
誰かの起こしたイノベーションを横取りするわけですが、効率の良さ、効果の大きさから有力な戦略となります。



②柔道戦略

この言葉はドラッカーの作ったものです。他の企業が相手にしない市場に参入する戦略です。
小さな市場で足がかりを作り、そこをテコにしてより大きな市場を投げ飛ばす戦略です。

この戦略が有効な理由は次のようなものです。
1、自分の発明以外は無視しがち
2、市場の良いところだけをとり、その他を無視する傾向
3、最高の品質を提供しているという自負心から、利用者との価値観のずれが見えなくなる
4、開発者利益に追求による価格の高止まり。低価格商品の思うつぼ。
5、昨日の極大化・複雑化による利用者の価値観とのかい離。


この二つはかつて日本のお家芸のような感じでした。しかし、現在ではこれは韓国・中国にお株を奪われそうになっています。

日本の携帯電話のガラパゴス化現象は、柔道戦略の理由の3と5がドンピシャと当てはまる気がします。

現在の柔道戦略のナンバーワンは韓国のサムスンでしょう。