2010年7月2日金曜日

シュンペーターのイノベーション論

ドラッカー理論においてイノベーションは重要な概念です。

しかし、イノベーションについて初めて体系的な理論を提示したのは経済学者のシュンペーターです。
まず、ドラッカーのイノベーション論の前にシュンペーターの考えを整理しておきたいと思います。

シュンペーターは1912年に発表した『経済発展の理論』の中で、イノベーション(経済的革新)について触れています。
彼のイノベーション論はその後のあらゆるイノベーション論の基礎となっています。


シュンペーターはイノベーション(経済的革新)は消費者から起きるのではなく、生産者側が新しいニーズを創造することによって生まれるのだと主張しました。

そのイノベーションとは、利用可能なさまざまな物や力を結合することで生み出すことができるというのです。それを新結合といいます。

新結合の結果生まれるものとして ①新しい財貨 ②新しい生産方法 ③新しい販路 ④新しい供給源 ⑤新しい組織 などがあげられています。

新結合の結果、経済的な発展や革新が非連続的に実現されるというわけです。

発展や革新は連続的には起きないというところがポイントです。

こうした非連続的発展は常に古いものを破壊していくことで生まれると考えます。それを創造的破壊といいます。

この創造的破壊は現在でも非常によくつかわれている考え方です。

余談ですが、ドラッカー家はオーストリアの名門で、ドラッカーがまだ子供のころにシュンペーターがドラッカーのお父さんと親しく、家にもよく来ていたそうです。

ドラッカーのイノベーション理論の基礎にはシュンペーターのイノベーション理論があります。