2009年11月29日日曜日

ドラッカーのマーケティング

ドラッカーは現代社会が組織なくしては回らないと考えました。




ですから組織が適切な成果をあげなければ社会がよくなっていかないことになります。



ドラッカーの有名な定義「企業の目的は顧客の創造である。」もこうした視点からでてきたものです。



そしてこの目的を達成する手段はたった二つしかなく、それこそがマーケティングとイノベーションであるというわけです。



このように言われると「なんだ、営業部と研究開発セクションだけが偉いのか」と誤解されそうですが、実際にはそのような意味ではありません。



ドラッカーはマーケティングとイノベーションという概念を企業の全社的な取り組みの対象と位置付けました。

つまりそれらは経営戦略的な視点から理解しなければならないのです。



ドラッカーはマーケティングと営業の違いを強調します。

営業とは売り込むことであり、マーケティングとは自然に売れていくようにすることであり、両者は全く違う意味であるといいます。



営業とは「はじめに商品ありき」の発想であり、マーケティングとは新たな顧客ニーズ・ウォンツを満たしていく活動であるというものです。



「ニーズ・ウォンツを満たす」という考え方はだいぶ普及しているように思われますが、この営業との相違点については日々の経営の中ではつい忘れられがちになるところではないかと思います。



顧客のニーズやウォンツは日々変化します。



「今日、売れていない商品は顧客の昨日のニーズ・ウォンツに対応しているのではないか。今日売れている商品は明日の顧客のニーズ・ウォンツに対応できるだろうか。」と常に考え続けなければなりません。



こうした視点を抜きにして売り込もうとすることが営業です。

 
マーケティングの理想は営業をなくすことなのです。