2011年3月16日水曜日

◇東京電力と社会的責任②

昨日に続き、東京電力の問題です。

今、炉心溶融の危機にある福島第一原発の2号炉に海水を注入中に信じられないミスがあったことがネットのニュースで流されました。


何度も何度も繰り返される東京電力の謝罪。絶対に安全であることが大前提の原子力発電で、信じられない人為的なミスで危機的状況が生じた。


 今回の“危機的事態”の原因は、作業員が見回りに出ている間に海水を注入するポンプの燃料が切れ、燃料棒がむき出しになった。‥‥


昨日、広報担当者に「当事者意識」が欠けていることを指摘しました。

上のニュースが事実であるとしたら、まさにありえないほど「日常的な」意識レベルでこの未曾有の困難に対処していたことになります。


家庭でてんぷら料理をしている最中に、その場を離れてはいけないというレベルのことは家庭の主婦のみならず、子供でもわかっていることです。

日本中がかたずをのんで見守っている作業の現場責任者が、まだ作業が終わっていないのにその場を離れる等という事態が平然と行われていたとは驚くべきことです。

このような重要な作業者が「見回り」と兼務で行われているという事実が東京電力の危機意識の低さの象徴であると思います。

おそらく「危険な現場」ということで、最少人数しか投入していないのでしょう。

しかし、ここをうまく乗り切らなければ今後100年以上にわたり悪しき影響を及ぼすことが確実なわけです。

日本の歴史上、これほどの重要な局面はなかったと思いますが、なんと「見回り」で目を離したすきに燃料切れを起こしてメルトダウンの危険を引き起こしたというわけです。


この「うっかりミス」のつけを全国民が何世代にもわたって背負い続けなければならないリスクが高まっています。

今後の推移を見守るしかないのが残念です。



(浅沼 宏和)