2011年3月11日金曜日

計画的廃棄と政府機関

政治情勢も厳しいおりですから、立て続けにドラッカーの政治的説明を取り上げましょう。

ドラッカーは成果をあげるためには集中が必要であると言っています。

希少な資源を昨日の活動から引き上げて、明日の機会に充てなければならない言っています。

そこで生産的ではなくなった過去のものを捨てる必要性を強調しています。


完全な失敗を捨てることは簡単ですが、昨日は成功していたけれど今では非生産的となったものは捨てずらいといいます。

さらに、本来うまくいくはずなのにいつまでも成果の出ない仕事も危険であると言っています。

このような状況を放置すると組織は最も貴重な資源である有能な人たちの能力を浪費してしまうといいます。


あらゆる組織がこの種の活動を抱えたままとなる。特に政府機関が著しい。

政府の計画や活動も他の組織と同じように急速に古くなる。

だが、政府機関においては、それらは永遠の存在ともみなされるばかりでなく、政省令によって構造化され、議会の族議員の結びついて既得権化していく。


50年前の記述ですが、今の日本の政治の説明と言われても疑う人はいないでしょう。

さらにドラッカーはこう続けます。


今日、政府のあらゆる法令、機関、プログラムが成果と貢献についての第三者機関による評価に基づいて延長される場合を除き、すべて臨時のものであり、一定の期間、たとえば10年を経た後には自動的に消滅させるという成果本位の新たな行政原則が必要とされている。


この提言は一考の価値があると思いますがいかがでしょうか?



(浅沼 宏和)