2011年3月1日火曜日

マネジメント・スコアカード

月末に論文の締め切りがあったため、更新が滞ってしまいました。


今回はドラッカーの経営戦略論を使って、バランス・スコアカードの戦略マップの改定案を出そうという論文でしたが、時間ぎりぎりで滑り込みセーフという状況でした。

そのため文章がごつごつしてしまいました。


ところで、せっかく論文を書きましたので、今回考えたこと、調べたことについてまとめておこうと思います。

まずはマネジメント・スコアカードです。



実は、このマネジメント・スコアカードというのはドラッカー学会の会員による研究部会が名づけたもので、そのネタ元は、ドラッカーの8つの目標です。

それは以下のようなものです。


1、マーケティング
2、イノベーション
3、生産性
4、人的資源
5、マネジメント能力
6、資金と資源
7、社会的責任
8、必要となる利益


この8つの目標は1954年の『現代の経営』に書かれているのですが、財務的な目標以外のものを財務的目標(利益)と同列に並べるという発想は斬新であったと思われます。

この8つの目標の概念を提起したことで、ドラッカーは「バランススコアカードのきっかけを作った人」と考えられたりする場合もあります。


この8つの目標をスコアカードに落とし込もうとする研究会の取り組みは報告書にまとめられており、ドラッカー学会のHPで見ることができます。


私は、バランス・スコアカードで言う戦略マップのようなものがドラッカー経営にはないと考えまして、独自のマップにまとめています。

その成果は昨年9月に日本会計研究学会の全国大会で発表したのですが、その後実務で使用してみたところ、意外と使い勝手がよく、自信を深めたので論文にまとめようと思い立ったわけです。


しばらく、今回の論文の構成を段階的に説明してみたいと思います。



(つづく)



(浅沼宏和)