2009年12月28日月曜日

書評 続・「コアコンピタンス経営」

コアコンピタンス経営に関してハメルとプラハラードは経営者に対して次の質問を用意しています。

将来、あなたの会社が対象とする顧客は誰か?
将来、あなたの会社はどのような販売経路を使うだろうか?
将来、あなたの会社の競争相手は誰だろうか?
将来、あなたの会社の競争優位の源は何だろうか?
将来、あなたの会社の利益はどこからくるだろうか?
将来、あなたの会社の独自性はどのような能力からくるだろうか?
将来、あなたの会社はどのような商品ジャンルに参入するだろうか?

もし、経営幹部が未来についてのこれらの質問に具体的にこたえることができなかったり、あまり現在についての答えと変わらないのであれば、将来ナンバーワンであることは難しいであろうといいます。

上記の質問はドラッカーが会社のミッション(使命)を見出すために使う質問とかなり重なり合っています。

会社のミッションは強みに焦点を当てて見出されるものでしょう。

また上記の質問に答えることは、会社のストレッチ目標を設定することになるでしょう。


ところで、こうした質問への解答はあくまでその時点における仮説ということになると思います。

現在のストレッチ目標を追求する中で思ってもみなかった新たなチャンスが生まれてくることもあるでしょう。

ドラッカーはそうしたチャンスについて「予期せぬ成功」と表現し、とても重視しています。

そのようなチャンスに巡り合ったならば、方向転換が必要になるわけです。

しかし、その方向転換にしてみてももともと追及していたコアコンピタンスと極端にかけ離れることはないでしょう。

中小企業の場合、コアコンピタンスを明確に定義し、それを5年以上維持することはできないように思います。


当初に仮説を設定し、事後新たな状況変化に応じて仮説の微調整をおこないながらコアコンピタンスを形成していく必要があるでしょう。