2009年12月26日土曜日

「限界的存在」と中小企業③

中小企業が「限界的存在」とならないためには、一人当たり粗利益額1000~1300万円を目標とするとよいと申し上げました。

上場企業の場合ですと、これが2000万円以上になるのが普通です。
また、その程度の価値を生み出していないと上場企業として必要な体制を維持することも困難であると思います。

しかも優良企業ですと3000万円以上になり、上位企業ではそのはるかに高い数字に達します。

ダントツ1位の任天堂はなんと1億8000万円です。
社長から新入社員まで平均して、一人当たりで2億に近い価値を生み出しているのです。
まさに圧倒的なマネジメント力ですね。

ドラッカーは現代では組織こそが成果を生むと断言していますが、それを納得せざるをえない数字であると思います。

ちなみにトヨタは3000万円ちょっとというところです。

上場企業に比べてみると中小企業の経営リスクがいかに高いものであるかがお分かりになると思います。

中小企業はたとえ現在の業績が好調であったとしても油断することなく、次の展開を深く考えなければならないわけです。

一人当たり付加価値額が1000万円に遠く及ばない企業はビジネスモデルを根本から考え直す必要があるでしょう。


ここにマネジメンの必要性が認識されるわけです。


しかし、中小企業ではなかなか適切なマネジメントが行われることが少ないため、業況を立て直すことは困難なようです。

自社を取り巻く状況にあせりをおぼえつつも、何も策を打てない企業が多いように思われます。

その原因のひとつとして突出した強みを持たないことがあげられるでしょう。

同業者に比べて何らかの点で抜きんでたものがなければ、事態を打開することは難しいでしょう。

こうした場合、現在を何とかしのぎつつ中長期的に強みを構築していくマネジメントをしていくしかないでしょう。

いずれにしても何を、いつ、どのようにしていくかを明確にしなければなりません。

具体的にどうしていくかについてはこのブログで説明していきたいとおもいます。


ところで、本日から当社は冬期休業となるため、年末年始はドラッカー経営について説明するのをいったん休止させていただきます。


冬期休業中は、主に書評を掲載させていただきますのでよろしくお願いします。