2011年8月23日火曜日

体系的廃棄

ドラッカーは事業の定義に当たり、体系的廃棄を行うことを重視しています。経営資源に限りがありますので、ムダな資源投入を止めて、新たな取り組みに振り向けるステップということです。

『マネジメント』に次の記載があります。


新事業への参入の開始と同じように重要なこととして、事業の目的とミッションに合わなくなったもの、顧客に満足を与えなくなったもの、業績に貢献しなくなったものの体系的な廃棄がある。

「われわれの事業は何か。何になるか。何であるべきか。」を決定するうえで不可欠のステップとなるものが、既存の製品、サービス、プロセス、市場、最終用途、流通チャネルの分析である。



多くの場合、既存事業の分析を十分に行わないままに新規事業を行ってしまい、そのため資源の分散投入によっていずれも成果を得られないという結果になりがちです。

新規事業への取り組みと体系的廃棄はセットで考えるべきなのです。

ドラッカーによると、体系的廃棄の概念は1964年の「創造する経営者」で初めて紹介され、最初に実行した企業がGEであるとのことです。


(浅沼 宏和)