中小企業における「限界的存在」も規模と一人当たり付加価値額の関係である程度示すことができます。
売上高別の黒字企業割合は以下の通りです。
0.5億円以下 29.8% (黒字企業割合)
1億円以下 43.4%
2.5億円以下 55.3%
5億円以下 66.7%
10億円以下 74.8%
20億円以下 79.9%
30億円以下 81.6%
30億円以上 84.8% *TKC経営指標 H20 より
規模と企業力が明らかに比例していることがお分かりになると思います。
また売上高5億円以上の企業は指標全体の企業数の9.2%を占めているにすぎません。
したがって規模において中小企業の上位1割に入っていれば、比較的安定性を得やすいといって間違いないと思います。
黒字企業のさらに上位15%である優良企業の平均を売上高で見てみると、業種によって相違していますが、おおよそ3~8億円程度の規模であることがわかっています。
ちなみに、その内訳は
建設3.7億円 製造6.1億円 卸7.7億円 運輸4.4億円 小売4.9億円 飲食2.7億円 サービス3億円
となります。
中小企業の中でもこうした条件に当てはまる企業の特徴としては一人当たり粗付加価値(粗利益)額が高いという共通点があります。
多くの業種において優良企業又は規模の大きい黒字企業の一人当たり粗付加価値額は、1000~1300万円程度あります。(ただし飲食・サービス・小売は黒字企業でもかなり低くなりがち)
これをクリアしている企業は現状では適切にマネジメントされており、逆に一人当たり粗付加価値額が低くなればなるほど「限界的な存在」に近くなるといえます。