ミッション(使命)→ビジョン(未来像)→ゴール(目標)→アクションプラン(実行計画)→アクション(実行)→評価→フィードバック
という基本型で表現されます。
形式としては決して難しいわけではありませんが、これを自社の強みに焦点を合わせた独自の戦略に仕上げることはやさしいことではありません。
しかし、中小企業の中にこのドラッカー事業戦略論にほぼ当てはまる経営を実践している会社があります。
それがダスキンのフランチャイズである(株)武蔵野です。
(株)武蔵野はカリスマ経営者小山昇氏に率いられる企業で、その独自の経営戦略を他社にコンサルティング商品として売るほどです。
また小山昇氏の著書は常にベストセラーとなっています。
武蔵野の経営のフレームワークは明らかにドラッカーを基本としています。以下、武蔵野オリジナルの経営計画書のフレームワークを見てみると
武蔵野理念・ダスキン理念 ‥ミッション
↓
七精神(価値観) ‥バリュー
↓
長期事業構想書 ‥ビジョン
↓
基本方針
↓
戦略
↓
戦略課題(目標含) ‥ゴール
↓
各方針
(環境整備・商品・販売・お客様・地域貢献・情報マネジメント‥‥)
↓
部門実行計画・個人実行計画
↓
日常行動
*ドラッカー経営ではビジョンを明示する場合としない場合があります。なお、横の太字はドラッカー事業戦略と対比できるように私が書き加えたものです。
といった感じです。
また、このフレームワークには「選択と集中」「コア・コンピタンス」といったドラッカーに端を発するコンセプトも入っています。
実行計画を部門や個人自身に作らせる点は目標管理制度の原則に合致しています。
以上の点から(株)武蔵野はドラッカー経営を実践していると判断されるのです。
武蔵野のマネジメント手法が詳細に書かれている本が
大変示唆に富んだ本ですので一読をお勧めします。
中小企業の実践的経営戦略のよいお手本になると思います。
ただ、私は骨格はそのまま用いつつも、自社の風土、業界の相違などを加味しつつ自社独自の取り組みを目指したほうがよいと考えています。
ドラッカーの事業戦略論を3回にわたり説明しました。
事業計画の作成法についてはおおよその骨格を理解することが大事で、細かいスタイルにこだわらなくてもよいことがおわかりいただけたかと思います。