先日のセミナーのテーマの一つはコスト管理でした。
現場レベルでのコスト管理は無駄なコストを削っていくことが中心です。
いわば改善の視点からのコスト管理ということができます。
一方、ドラッカー流の経営者目線のコスト管理とは「対業績比」がポイントとなります。
そもそも経営活動というものは、資源を事業に投入してその成果を最大化する活動と見ることができます。
したがってこの投入する資源とそれによって獲得された成果の比率が大きければ大きいほど事業がうまくいっていることになるわけです。
それが「対業績比」の意味になります。
自社の事業が「対業績比」という意味でコスト管理がうまくできているか知る必要があります。
どうすれば、「対業績比」が良いか悪いかがわかるでしょうか?
前にも書きましたが、重要なので再度説明します。
その最も適切な指標が「一人当たり加工高(粗利益額、粗付加価値)」です。
まず、売上から仕入・外注費(会社の外でつけられた価値です)を差し引いた金額を、その会社の生み出した価値と見ます。
そしてその価値を生み出した人数(実働社員数のこと。パートは0.5人、非常勤役員は0人等と調整する。)で割るのです。
こうして計算された金額が大きければ、最重要資源であるヒトに対応する業績比が大きい、つまりうまくコスト管理ができていると言えるわけです。
この数値は業種によってだいぶ違いますので、具体的な数値が必要な場合にはその情報を持っているコンサルタントや会計事務所に聞けばよいでしょう。
製造・建設等では黒字企業平均で約850万円程度です。サービス・飲食業はだいぶ低くなります。
さて、一人当たりの加工高を高める基本的考え方について説明したいと思います。
皆さんは次のような現象をどのようにお考えになりますか?
① 受注が50%減少したので工場が2時半までの操業となった。
② 修理の仕事が1件の場合でも3件の場合でも、終業ぎりぎりまで作業をやっている。
③ 毎日、オフィスの全員の残業終了時間が同じ。
これらはいずれも経営者目線でのコスト管理の問題です。
いずれもコスト管理上の問題が発生しています。
おわかりになるでしょうか?
正解は明日のブログに書かせていただきます。