バウンドストーン著『プライスレス』青土社、2010年 定価2,520円
前にフェアリー著の「予想通り不合理」を取り上げましたが、私は経済学の最近のはやりである行動経済学に興味があります。
本書もその一環ですが、印象深いエピソードを一つ上げます。
高級ブランドの店頭には目立つ所に超高額商品を1点置いておくそうです。
そうすると他の高額商品が割安に見えるため、衝動買いが起きやすいのだそうです。
この応用として、いつもと違う容器に飲み物を入れると、実際には割高になるにもかかわらず適正な判断ができなくて購入してしまうのだそうです。
例えば、上の例とは別になりますが吉野家の牛丼は一番大きい特盛りが一番損なのだそうです。
売りたいものをどのように見せるかがポイントということでしょう。
ドラッカーによればマーケティングの要諦は「自然と売れる仕組みを作る」ことです。
行動経済学は、天才的な感覚のない人間にも役立つマーケティングの視点を提供してくれるように思われます。