福島哲史著『絶妙な「整理」の技術』明日香出版、2007年 定価1,365円
今回は書評というよりは、福島氏の整理についての考え方をご紹介しながら、TMAの「2S直角平行」のコンセプトより深めたいという企画です。
何回かに分けて行いたいと思います。
「 ‥私の知る限り、仕事のできる人は、片付けるのをあまり得意とはしません。というより、整理を最優先しないのです。
もし、そういう人の机やそのまわりがきちんとしているとしたら、それは、人の目に触れるところで、あるいは部下のいる手前、やむなく外側からそう見えなくしているのです。
‥そういう人は、いったん整理をしはじめると、徹底してチリ一つ残さないところまでやります。つまり、本当は片づけるのも大好きできれい好きなのです。それよりも仕事を優先させていくので、散らかってしまうということです。 」
なかなかうがった見方です。
また福島氏は次のように付け加えます。
「 ‥多くの仕事を並行して、どんどん先取りして進めなくてはいけない現代においては、整理は仕事を邪魔しないために、最低限、取り組まなくてはいけない、必要悪といえるからです。
整理できていなくても、仕事ができていればよい。しかし、仕事を素早く、しかもきちんとするためには、最低限の整理は必要だということです。 」
私も大筋で福島氏の見方に異論はありません。
私たちTMAでは「中核社員のデスクは乱れやすい」と考えます。
ですからデスク周りから不要物を取り払い、すべてのモノを揃えておき、仕掛中の書類が紛れないようにしておくべきと考えています。
デスクからあらゆるものを取り払うのではなく、デスクの上にあるものをコントロールしている状況を維持しようとするわけです。