「 一見したところ、同じ商品のように見えるかもしれませんが、じつはユニクロでは毎日毎週、修正を繰り返しながら本当にいい商品を店に送り出しているんです。 」
これは柳井氏が知識労働者としての店長の役割について語った際に述べている言葉です。
この言葉は日常的な仕事についての正しい姿勢を示すものであると思います。
私は以前、京都の老舗の漬物屋のご主人が
「お客さんはうちの味を『変わらないね』といってほめてくださる。
実はうちの漬物は江戸時代から比べると全然違うものになっている。
それどころか毎年微妙に違う。『変わらないね』といっていただくために毎年変えている。」
とおっしゃるのを聞いて感銘を受けたのですが、同じ話であると思います。
つまり、同じ商品をなんの改善も加えずに出し続けることはあってはならないということです。
お客さんはどんどん変化していくわけですから、その変化に対応し、場合によっては先取りまでしなくてはならないわけです。
また柳井氏は
「 一番厳しいお客様がお店に入ってきて、店や従業員たちを見てどんなふうに感じるかをシミュレーションしてみなさい 」
とも言っています。
これを1日3回やればその店は必ず最高の店になるそうです。
日々の微細な改善の積み重ねが現場力を高めるという考え方は製造業のみならず、あらゆる業種で当てはまることであると思います。