昨日と同じく「管理者のための簿記再入門」の内容からです。
値引きは会社にとって損であることはいうまでもありません。
しかし、値引きがどれだけ財務的なダメージを与えるかわかっていない営業マンもいるようです。
簿記的な知識をもっていると値引きは厳禁という意味がわかります。
中小企業等で営業のルールがしっかりしていない場合には、営業マンが勝手に値引きしてしまうことがよくあるようです。
営業マンの意識としては「売り上げたんだから少しぐらい値引きしてもいいだろう」という感じになるようです。
しかし、この営業マンは「値引き=売上の値引き」と勘違いしているのです。
実際には「値引き=利益の値引き」と考えなければならないのです。
値引きをしますと売上高がその金額だけ減少します。しかし、それだけではありません。
費用は全く変化しませんから、売上から費用を差し引いた利益も同じ金額だけ減少するのです。
企業の営業利益はたいてい数パーセント程度です。10%以上あるような企業は好業績といえます。
つまりすべての売上について1割引きにした場合、ほとんどの企業は赤字に転落するのです。
この点について理解していない営業マンが安易な値引きに走るわけです。
値引きについては入念な方針を決めて、それを守らなければならないのです。
簿記のテクニックは経理マン以外は覚える必要はありませんが、簿記的なセンスはすべてのビジネスパーソンに必要不可欠なのです。