柳井氏はユニクロの店長は知識労働者であると考えています。
「 お客さまと一番近い場所にいるのは店舗の販売員や店長ですからね。
‥‥お客さまのことを一番わかっているのは店舗の従業員。だからすべての正解は、本部にではなく店の現場にあるというのが、私たちの考え方なんです。 」
だから柳井氏は「店舗=考える人」という図式を描いたわけです。考える人とは知識労働者のことです。
「 ずっと売る側にばかりいると、自分の店を客観的に見られなくなってくることがあるんです。
‥‥忙しい店舗だと、どうしても細かい部分に目がいかなくなってエントランスに草が生えたり、POPが傾いていてもきづかなかったりすることもあるんです。 」
こうした現場観のもとに柳井氏の社員観は形作られているようです。
現場の人間の意識水準が低ければ企業のレベルが低いままにとどまってしまうということです。
また柳井氏は「知識労働者とは自分で考え、マニュアルに書かれていないこと、言われていないことを自ら行う人のこと」であると述べています。
この細部に目がいくという点が重要であると思います。細かい改善やヒヤリ・ハット(インシデント)を見つける人は細部に目が行く人であるといえます。
そこで人材のレベルは改善提案数・ヒヤリハット(インシデント)報告数に比例するという命題が成立すると思います。