しばらく書評などが続きましたが、またドラッカーの仕事のマネジメント論を深掘りしていきます。
ドラッカーは時間からスタートすると述べています。
この感覚は製造業などでははっきりとありますが、それ以外の業種、特に営業系や事務系などでは意識が薄い会社があります。
また書評で改めて書くつもりですが、タナベ経営のコンサルタントが書いた『問題解決の5S』(南川典大、ダイヤモンド社)という本がドラッカー経営に非常に近いところで具体策が書かれています。
しばらくドラッカー理論をこの本との対比で検討していきたいと思います。
南川氏によると、ビジネスパーソンの仕事時間のうち、真に付加価値を生む仕事は全体の25%しかなくて、後の25%はそのための準備業務にとられるといいます。
準備業務というのは、情報収集や見積、資料作成、客先への移動がそれに当たるといいます。
そして残りの50%は極論すると付加価値と無関係なムダな仕事といえるといいます。
この仮説はかなりの妥当性があります。
私は当社事例で言うならば、付加価値業務、準備業務、ムダな業務の比率は同等で、それぞれ3分の1ずつと考えていました。
この場合南川氏の比率と私の比率を比べることは意味がなく、南川氏の方がより厳しい目線であるというだけです。
ポイントは成果を上げることに貢献する時間は非常に少なく、多くの時間がムダに費やされている ということをしっかりと認識するということです。
ですから、あらゆる仕事には改善の余地があるわけです。そうした改善は時間に基づいて考えていくことが第一歩になります。
これが、ドラッカーの言うところの 時間からスタートする という命題の本質です。