2010年9月25日土曜日

書評-「マンガ 孫子・韓非子の思想」⑤

孫子の続きです。


≪地形編≫


地形には、通、挂、支、隘、険、遠 の6種がある。


-味方もいけるが敵も来ることができる地形。

  視野のきく高所に陣を張り、補給路を確保すれば有利。

-(けい)進みやすく退きがたい地形。

敵に備えがない時に進めば勝てるが、敵に用意があるなら不利。容易に撤退できないため。

-敵にとっても味方にとっても出撃するのに不利な地形。

敵が誘いをかけてきても応じない。逆に退却して敵に追わせ、敵の半数がこの地形に入ったら攻撃する。

-狭隘な地形。

先んじて占拠し、入口を制すること。敵が占拠していたら攻撃しない。占拠していても入口を守っていないときは進撃を検討する余地あり。

-要害の地

先に占拠し高地に陣を張り敵を待つ。敵が先に占拠していたら間違っても攻撃せず、撤退する。

-敵味方の距離が離れている。

双方の兵力が均衡している場合、先に攻撃したほうが不利になる。


以上、6種の地形を見分けるのは将軍の重要な仕事である。
  



敗因には、走、弛、陥、崩、乱、北 の6種がある。

・敗因は地形の不利で敗れたのではなく将軍の過失による人災である。


-敵味方の兵力が同じなのに決戦時に兵力集中ができず戦う場合。

-装備・訓練が完璧なのに指揮官の能力が劣る場合。

-指揮官は優秀なのに兵士が弱い場合。

-士官が自信満々で勝手な行動をとり、しかも将軍がこれを抑えられない場合。

-統制が緩く、兵士に規律がなく、陣形がばらばらになっている場合。

-将軍の敵に対する認識が甘く少数で多数に、弱兵で強兵が戦いしかも集中していない場合。