『マンガ 孫子・韓非子の思想』講談社、1990年
たかが漫画と侮るなかれです。これはけっこう読みやすいしわかりやすいです。
私は孫子は岩波文庫本を持っていますし、ビジネス書で孫子を扱った本を何冊も読みました。
しかし、これは非常に簡潔にまとめているので帰って分かりやすいかもしれません。
岩波文庫本との併読をお勧めします。
せっかくなんで概要をまとめましょう。
まずはビジネスパーソンの必読書である『孫子』です。
≪作戦編≫
・兵は拙速を尊ぶ-戦うときは短期決戦
・知将は敵に食(は)む-戦上手の将軍は食糧の輸送は最低限に抑え、足りない分は敵地で調達する。
・兵を知る将は民の司命なり-戦は勝つことが目的。長引かせるな。
≪謀攻編≫
・用兵の法-百戦百勝は最上とはいえない。戦わずして相手を屈服させるのが最上。
・政略-最高の戦略は謀略で勝つこと。最低の策は敵の城を攻めること。戦上手は戦わずして敵を屈服させる。
・戦いの原則-10倍の兵力があれば包囲殲滅。5倍なら攻めまくる。2倍なら正面と背後の2方向から攻める。互角の兵力なら不意を突く。兵力が劣るなら守りを固める。兵力差が大きすぎれば退却してかわす。
・統帥権-君主が軍を危機に追いやるケース ①時期を得ない進軍・退却命令 ②むやみに口出し将兵を混乱させる ③指揮系統を無視して自ら指揮をし兵士の不信を招く。
・彼を知り己を知る-敵と自分を知れば100戦100勝、敵を知らず自分を知れば五分五分、敵も自分も知らなければ負ける。
≪軍形編≫
・戦略目標-用兵に巧みな将はまず有利な態勢を作り出し、敵に付け込まれないようにしてから戦うチャンスを待つ。
・まず勝ちて後に戦う-戦上手はまず不敗の基礎を作り、敵に乗じる隙を与えない。そして敵をやっつけるチャンスを見落とさない。
・戦いを決定づけるもの-
①戦場と戦線の状況を判断
②投入兵力の配備計画をたてる
③兵力と物資の数量を決める
④双方の政治力と軍事力を比較する
⑤勝算を得る
(つづく)