2010年9月19日日曜日

閑話休題-世界経済の現状

週刊東洋経済2010年9月25日号で、日本経済の現状と世界各国から処方箋を学ぼうという特集が組まれていました。
以下、新興国についてかいつまんでまとめます。


●自由貿易網競争が幕開け。ASEANを中心に拡大。

・ASEAN10カ国の輸出は日本の1.3倍
・FTA(自由貿易協定)カバー率がアジア主要国より日本は低い。
・焦点は広域FTA構想

●韓国から学ぶ新興国開拓。

・韓国の1人当たりGDPは日本の43%。10年前(29%)から急速に差が縮まった。
・存在感の大きい家電製品(サムスン電子・LGエレクトロニクス)。
・通貨危機に伴う構造改革実施。生き残った旧財閥系企業はトップダウンで事業の選択と集中。
・グローバル市場を見据えた人材育成。
・徹底した「現地化」

●インドから学ぶIT教育

・高等教育の充実で優秀な人材を多数輩出。
・理系文系を問わず実利思考。実務遂行能力に重点。

●ブラジルのバイオ燃料戦略

・近年、バイオエタノールを燃料にした自動車が本格普及。
・ガソリンとバイオエタノールをどんな比率で混ぜても対応できる「フレックス車」の誕生。
・バイオエタノールは温室効果ガス削減の視点から注目。

●中東のポスト石油戦略

・埋蔵量の限界を見据え、脱石油依存を進める。
・中東諸国では新エネルギー導入に向けた動きあり。イメージ戦略的側面も。

●中国から学ぶ経済活性化

・人民元改革、規制緩和で内需型に転換できるかがポイント
・人民銀行は臨機応変な対応をとる手段をもはや持っていない。消費者物価の上昇がさらなる状況悪化をもたらす。
・消費刺激には労働分配率を現在の40%から55%程度に引き上げる必要がある。従来型の低賃金成長モデルには限界が来ている。

●シンガポールから学ぶ観光

・客数よりも消費額を重視。
・会議・企業旅行・展示会の誘致
・カジノ解禁


どれも「学ぶ」というよりも、新興国の戦略的特徴といったところですね。

私個人としてはライバルとしては韓国とタイが、対市場戦略としては中国が気になります。