2010年9月17日金曜日

書評 「トヨタの社員は机で仕事をしない」

若松義人『トヨタの社員は机で仕事をしない』PHP新書、2008年  定価714円  

米国におけるリコール問題で味噌がつきましたが、なんだかんだいってもトヨタはレベルの高い企業です。

トヨタ系のコンサルタントとして有名な若松氏の著作をまとめてみます。

さすがですね。ビジネスパーソンの基本行動が網羅されています。



・間接部門社員の言葉「私の目標は、自分の仕事がなくなるまで改善し続けることです。仕事がなくなったら別の仕事を見つけて改善します。」
・間接費を減らすには人減らしではなく、能力を増やさせることだ。→多能工化


・知識、マニュアル、システムよりも「意識」が仕事を決める。
・ビジネスライクとは、数字で動くのではなく、心から動くこと。
・多忙は熱意の表れではない。改善不足の証拠である。


・大野耐一の言葉 「せめて、1日1時間ぐらい仕事をしてくれないか」
・時間の無駄に気をつけろ。与えられた時間を精一杯使わないのは時間の無駄だ。
・トヨタは決定に時間がかかる。実行前に、目的・手段・リスク対応等をとことん検討するから。


・デスクワークは資料の無駄を徹底的になくすこと。
・過去の実績をベースに「将来こうなります」と予測・計画することは無意味。現在と将来から目標を立てる。


・無理も工夫してやればムラ・ムダをなくせる。
・現場から人を抜くときは優秀な人から抜け。
・状況に合わせて規則を変える。それが改善だ。


・業績が低迷する企業は現場環境が荒れている。まず環境を整えると色々と変化が起きる。
「現地・現物」-しろうとが現場で「ムダだ」と感じることが本当のムダだ。
バッド・ニュース・ファースト -悪い情報ほど最速で届ける。


・情報改革は「現場は見たのか?」に帰着する。
・従わせられない指示は指示が悪い。
・対立点は限界点ではなく、出発点だ。


・「もっと汗をだす」ではなく「もっと知恵をだす」
・「課題なき報告」「フォローなき解決」を認めない。


・難しい課題を与えて、必死になって知恵を出すことで人は成長する。
・書類にするからスピード・鮮度が落ちる。高騰の簡潔明瞭の報告がベスト。


・セミナー参加報告に、「何が良かったか?当社の課題解決にどう使えるか?いつから実行するか?」がなければ報告とは認めない。


・PDCA(計画・実行・点検・改善)にThink(考える)を加えろ。
・大野耐一の言葉 「俺に言う通りにやるやつはバカ、やらないやつはもっとバカ、もっとうまくやるやつが利口」


・大きな改革よりは小さな改革を「まずは試しにやる」ところからスタートするのが一番いい。
・改善にはニーズが必要だ。「誰のために、何のために」がないと改善ごっこになる。


・仕事は常に後工程のやりやすさを考える。
・ △ 頑張ったんだから評価してくれ  ◎ 評価されるように頑張ろう


・「自分」は労働力ではない。「自分」はコストだと考える。
・変化のリスクをとってでも前進せよ。