韓非子編です。
今回の書評はだいぶ回を重ねていますが、孫子も韓非子も歴史的名著ですが、意外と触れる機会のないものです。
ですから、この機会を使って、できるだけコンパクトな要約版を作っておこうと思っています。
韓非子は法家の思想の大成者です。秦の始皇帝が韓非子の思想を用いて帝国をおさめたのは有名です。
何回かにわたってまとめていきます。
・臣下は職分を超えて手柄を立てることは許されない。自分の職分内のことを立派に成し遂げるのが肝要だ。
・国が滅びるのは大臣が尊ばれ、近臣に威勢がありすぎて権力が君主の手を離れたからだ。
・物事の道理を知ることは難しくない。難しいのは知った後にどう対応するかだ。
・忠告の難しさは、忠告者自身ではなく相手の心理を読むことの難しさだ。好意があだとなる。
・人はしばしば自分の利益を考える。一つのことで得する者と損する者がいる。
・聖人に恥辱はない。それを恥辱と思わないのだから恥辱ではない。
・かすかな兆候を見て取ることができれば明察といえる。
・価値観や理想は人によって異なる。人が欲するものを欲しなければ得難い宝も貴重ではない。
・荘王は小事にこだわらず大事を失わなかった。だから名声を得た。軽はずみに自身の意図を表に出さなかった。だから大きな功績をあげた。 -大器晩成
・勝利への道は集中力にある。
・師と仰ぐ人を大事にせず、資本となるものを善用しない者は無知蒙昧だ。
・志を立てそれに励む時、人は多くの困難にぶつかる。自分に勝つのは容易ではない。
・巧みな偽りは拙い誠実さに及ばない。手柄を立てて疑われることもあるし、罰せられても信頼を得ることもある。
・知恵者は知らないことがあれば馬やアリにさえ学ぶ。無知な者は自覚がないので聖人の教えに頼ろうとしない。
・下の者は見捨てられることを恐れて自分より優秀な人材を推薦しない。
・人間は利己的で、度が過ぎると自身の本分まで忘れる。役人には多い。
・成功のカギは時間と場所と仕事の内容だ。
(つづく)