2010年9月25日土曜日

書評-「マンガ 孫子・韓非子の思想」④

孫子の続きです。

地形や状況に合わせた陣の構え方なので、使い道はないと思いますが、状況やささいな兆候からリスクを読み取る合理的な視点を学ぶことができると思います。


≪行軍編≫

・山地を進む時は谷に沿って行軍し、攻守に適した見通しのきく高地に位置せよ。
・敵が高地を占拠していたら正面から攻撃しないこと。

・川を渡ったら速やかに川岸から遠ざかり、敵に乗じる隙を与えない。
・敵が川を渡って攻めてきたら水中で迎え撃ってはならない、敵の半数が岸に上がったところで攻撃するのが効果的だ。

・川岸では高地に陣を張れ。
・敵の下流に布陣してはならない。

・湿地を横切るときは一刻も早く通過すること。
・湿地で戦うときは水草の生い茂っている場所を確保すること。
・一番いいのは木の茂みを背にすることだ。

・平原で戦うときは平たんな場所に陣を張れ。
・右翼または背後に高地があり、前方が低くなっている地形がよい。


・敵が間近にいて静まり返っているのは自然の要害を頼みにしている。

・敵が遠くにいて挑発してくるのはこちらを誘い出そうとしている。

・敵が自然の要害を頼らず、わざと平たんな場所に陣を張っているのは何か他の利点がある。

・林の木々がゆれているのは敵が近付いたためだ。

・鳥が突然飛び立つのは敵が潜んでいるためだ。

・獣があわてて逃げ去るのは敵が近付いたためだ。

・土ぼこりが隆起して舞い上がるのは兵車(古代の戦車)が来たためだ。

・土ぼこりが低く広がっているのは歩兵部隊が近付いたためだ。

・敵の使者がへりくだった態度でありながら着々と準備を重ねているのは進撃してくる前兆だ。

・敵の態度が強硬で、しかも進撃の構えを見せているのは撤退する前兆だ。

・敵が何の取り決めもなしに和睦を申し出た時は、何か計略があるとみるべきだ。

(つづく)