2010年12月30日木曜日

『経営者の条件』②

続きです。知識と成果についてです。


・現代は知識を基盤とする組織の社会。組織社会では知識労働者は組織に貢献して初めて成果を上げられる。

・知識労働者は成果を上げるべく自らをマネジメントする。

・考えることこそ知識労働者の固有の仕事。

・知識労働者が生み出すのは、知識・アイディア・情報。


・知識労働者の生産物が意味を持つのは、他の労働者がそれをインプットとして何らかのアウトプットを生み出すとき。

・自らの知識・地位ゆえに組織の活動や業績に実質的に貢献すべき知識労働者はエグゼクティブ。

・知識労働者は意思決定をし、自らの貢献について責任を負う。

・ゲリラ戦では全員がエグゼクティブ。その状況にあるものしか決定ができない。


・エグゼクティブであるかは他人を管理しているかと関係ない。

・知識労働者は量やコストによって規定されない。成果によって規定される。

・「われわれの市場は何か」という基本的な問いを忘れると、衰退を招く市場の重要なサインを見逃すかもしれない。


・自らが成果を上げるよう意識的に努力しない限り、状況が彼らを無価値にする。

・医者はなすべき貢献が明確、しかし組織のエグゼクティブは違う。彼らはコントロールできない4つの現実に囲まれている。

①時間がすべて他人に取られる
②日常業務に忙殺される。成果と貢献に向けて働くことを可能にする基準が必要だが、日常業務にはその基準は見出せない。

③他人が彼の貢献を利用してくれなければ成果が上がらない。組織はヒトの強みを発揮させる仕組み。
④組織の中にいるという現実。組織の中には成果はない。成果はすべて外にある。


・人は少ないほど、組織は小さいほど、組織の中の活動が少ないほど組織は完全に近づく。

・最終的な決定権・拒否権を持つのは顧客。

・エグゼクティブは意識的努力をしないと組織内部に焦点を合わせる。しかも地位が上がるほど内部の問題に注意が向く。

・組織は存在することが目的ではない。外の世界に貢献することが目的。


・4つの現実は変えられない。だから成果を上げるための特別な努力が必要。

・仕事と成果を大幅に改善する唯一の方法は成果を上げる能力を向上させること。

・一分野で秀でる人は他分野では並みの能力しか持てない。


・成果を上げる方法を知ることこそが能力・知識という資源からより多くのすぐれた結果を生み出す唯一の手段。


(浅沼宏和)